私たちが井戸掘りをするきっかけは、阪神淡路大震災の後、ボランティアで現地に出かけた仲間が、「飲み水は自衛隊がすぐに持ってきたが、手洗いなど日常で使う水が無くて困った」と言ったからだった。
「この地域ならすぐに水は出る。下水管の工事などを見ると、水が溢れてきて困っている。防災に備えて、みんなで井戸掘りをやろうじゃーないか」ということになり、「それならNPOを立ち上げた方が信用度が高い」ということで、非営利活動法人を発足させた。
私たちの活動が新聞にも取り上げられ、この地方だけでなく名古屋市やその近郊の市や町、あるいは知多半島に住む人からも依頼があった。この地域の成功体験でいい気になっていたが、地域によっては全く水を汲み上げることが出来なかった。
しかしコロナ禍で、依頼は一気に無くなり、井戸掘りに出かける機会は減った。それにNPOを立ち上げたのが2008年だから、もう15年になる。当初はやる気満々の先輩たちもすでに80代半ばを超えた。
まだまだ口は達者だが、身体は言うことを聞かない。「いよいよケリをつける時ですよ」と、代表理事の先輩に提案する。恐らく継続することは無理なので、社員総会を開催してみんなで協議し、解散を決議することになるだろう。
今日、皆さんのところに社員総会の案内を送った。ワイワイガヤガヤ、「もっと力を入れて」などと、楽しみながらやって来たが、けじめをつけるとなるとちょっと寂しい。発足当時は皆、若かったから出来たが、やはり井戸掘りは体力が無ければ出来ない。
防災に備え、誰でも簡単に井戸が掘れる、そんな技術を伝えていきたい。若い人たちに引き継いでもらいたいが、仕事にはならないから、ボランティアでやるしかないだろう。本当は中学生か高校生、あるいは大学生に伝える機会が欲しかった。
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