保険会社の女性が、ふたりでやって来た。容姿端麗でなければ、採用しないのかと思うようなきれいな女性だ。契約者はカミさんで、受取人もカミさん、私は被保険者である。保険を継続する場合と、解約して別の保険に入る場合の損得を説明してくれた。
どっちにしても私には何も無い。そもそも私は保険が好きではない。私の母は「おひとよし」だったので、勧められるままに保険に入っていたようだ。「保険料を払うために働いてるみたい」と、愚痴を零しながら徹夜していた。
けれど、あの保険はどうなったのだろうと思う。母が亡くなってもお金が入った話は聞かなかったから、夫や子どものために掛け金を払い続けていたのだろう。保険は万一に備えるものなのに、助かったという話を聞かないが、中にはそれで助かった人もいるはずだ。
万一に備えるのは、死亡やケガ、病気に限らない。野党から追及を受けた時、泥を被る役目の人がいるし、人々の前で謝罪する役目の人がいる。そんな場面ばかり見せられると、人間は本当に情けない存在なんだなと思えて来る。
「歳を取ったら、気を遣いたくないから、人間関係を整理したい」と言う人もいるが、人は生きている限り、気を遣っているはずだ。たとえ子どもでも孫でも、気を遣ってあげるのが人の務めだろう。気遣いが無くなったら、生きている価値も無くなってしまう気がする。
自分以外の人への気遣いが薄れてきているから、人殺しや戦争が続いているのだろう。人が人を好きになればいいのにと思うけれど、好きな人と嫌いな人が出来てしまうのはどうしてなのだろう。
老いた人こそ、人との交わりを多くすべきなのに、残念ながら年毎に減っていく。ジジ活やババ活は無理でも、孫たちが声をかけてくれると、ヨシ頑張ろうという気になる。
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