松本潤さんが演じるNHK大河ドラマ『どうする家康』を観た。昨年の『鎌倉殿の13人』もそうだったが、違和感が大き過ぎた。これはどうみても私に問題がありそうだ。今年4月に79歳になる老人は、史実からドラマを観ようとする傾向が強すぎるのだ。
第1回目から「桶狭間の戦い」が始まったので、この時の家康、信長、義元の年齢を事典で調べてみた。家康は19歳、信長は26歳、義元は41歳であった。立て籠もっている今川方の大高城に、食糧を届けるのが家康軍の任務である。
自分の姪を嫁にやったり、京都を目指した行軍の先頭ではなく、食糧を届ける任務にしたことを考えると、義元は家康を評価していたようだ。けれど、義元は信長の奇襲に遭い討死してしまうと家康は急いで岡崎に引き返す。
ドラマではひとりで海岸を彷徨う場面があったが、桶狭間から岡崎に逃げる途中に海は無い。もし、海に出たなら現在の碧南市辺りだろうが、岩礁が見られるような海岸は存在しない。そんなところばかり気にするのは老人の悪い癖だ。
今川家の家臣に引き立てられるところだった家康は、義元が死ぬと今川方から織田家との同盟に踏み切る。『どうする家康』は決断できない家康が、部下の提言を迷いながらも受け入れていくドラマになっていくのだろう。狡いとも賢いとも言われる家康の真骨頂である。
ウクライナのドラマ『国民の僕』もよく分からない。ドラマは実際に放映されたもので、「国民の僕」は政党でもあり、ゼレンスキーはこの政党に属していた。高校教師のゼレンスキーが政府の腐敗や政治家の利己主義を口汚く批判する。
これが国中に広がり、大統領になってしまう。まるで漫画のようなドラマが、どうしてこんなに人気なのだろう。今日は「成人の日」、選挙権は18歳から行使できるが、選挙の結果だけの社会は、皆のためになっているのだろうか。
少なくともNHKの大河では歴史を創作でなく、史実に基づいたドラマにして欲しいと思います。