『アイデアのつくり方』(ジェームス・W・ヤング著、今井茂雄訳、TBSブリタニカ)を読む。
アメリカの広告クリエイターの間で、昔から“バイブル”と称されてきた本。米国での初版は1960年ごろ。本訳書の初版は1988年。後半竹内均氏の長い解説が収録されているが、本文はわずか60ページくらい。しかしその短い文章の中に、アイデアを生み出すためのエッセンスが簡潔にかつ的確に述べられている。
五つの過程にまとめられている。
①資料集め。当面の課題のための資料と一般的知識の貯蔵をたえず豊富にすることから生まれる資料の両方を集める。
②心の中でこれらの資料に手を加える。
③孵化段階。意識の外で何かが自分で組み合わせの仕事をやるにまかせる。
④アイデアの実際上の誕生。「見つけた!」という段階。
⑤現実の有用性に合致させるために最終的にアイデアを具体化し、展開させる段階。
興味深いのは③の孵化段階。①②をしっかり行えば、いったんそのことから意識を離す。筆者の言葉では「直接的にはなんの努力もしない」「問題を全く放棄する」「完全にこの問題を心の外に放り出してしまう」とある。そうすると上手く④に結び付くというのだ。
これは体験的にも理解できる。いったん関心事から意識を遠ざける、例えば、夜遅くまで件の案件について突き詰めて考えた後、床に入る。そうすると翌朝、そのことが整理されてたり、解決案が浮かぶといったようなことがたまにある。
思考法に関するロングセラー、外山滋比古氏の『思考の整理学』(ちくま文庫)でも同じようなことが述べられている。これって何なんだろう? おそらく脳科学的には何かしら根拠となる理由があるのだろうけどよく分からない。ただこのことを知っていると知らないとでは思考に関して随分所要時間が変わってくることは確かである。
アメリカの広告クリエイターの間で、昔から“バイブル”と称されてきた本。米国での初版は1960年ごろ。本訳書の初版は1988年。後半竹内均氏の長い解説が収録されているが、本文はわずか60ページくらい。しかしその短い文章の中に、アイデアを生み出すためのエッセンスが簡潔にかつ的確に述べられている。
五つの過程にまとめられている。
①資料集め。当面の課題のための資料と一般的知識の貯蔵をたえず豊富にすることから生まれる資料の両方を集める。
②心の中でこれらの資料に手を加える。
③孵化段階。意識の外で何かが自分で組み合わせの仕事をやるにまかせる。
④アイデアの実際上の誕生。「見つけた!」という段階。
⑤現実の有用性に合致させるために最終的にアイデアを具体化し、展開させる段階。
興味深いのは③の孵化段階。①②をしっかり行えば、いったんそのことから意識を離す。筆者の言葉では「直接的にはなんの努力もしない」「問題を全く放棄する」「完全にこの問題を心の外に放り出してしまう」とある。そうすると上手く④に結び付くというのだ。
これは体験的にも理解できる。いったん関心事から意識を遠ざける、例えば、夜遅くまで件の案件について突き詰めて考えた後、床に入る。そうすると翌朝、そのことが整理されてたり、解決案が浮かぶといったようなことがたまにある。
思考法に関するロングセラー、外山滋比古氏の『思考の整理学』(ちくま文庫)でも同じようなことが述べられている。これって何なんだろう? おそらく脳科学的には何かしら根拠となる理由があるのだろうけどよく分からない。ただこのことを知っていると知らないとでは思考に関して随分所要時間が変わってくることは確かである。