『500億ドルでできること』(ビョルン・ロンボルグ著、バジリコ)を読む。
コペンハーゲン・コンセンサスの議論の要約版。同会議は、著名な経済学者を一同に集めて、世界が直面する諸問題の中から国連のミレニアム開発目標を中心に10の課題を選び、それぞれの対策を厚生経済学の観点から比較検討して、優先順位を決定するという試み。「あと500億ドルの資源を政府が自由に使えるとしたら、世界の福利、特に開発途上国の福利を増進するための最善の方法は何か」という点でランキングを付ける。
この考え方で、一番費用対効果があるのは、HIV/エイズの抑制といった感染症対策。二番目は栄養不良と飢餓問題。地球温暖化といった気候変動対策は、便益を上回る費用がかかる、あるいは便益を得られるのがあまりにも先になる、という点から最下位に位置付けられてしまった。
単純に「費用対効果」という観点だけで、中身も時間軸も異なる諸問題を同じ俎上に載せるのは少し強引な気がするが、世界中の専門化による分析と議論を通じてグローバル・コンセンサスを形成していくのは大切なことだと思う。
コペンハーゲン・コンセンサスの議論の要約版。同会議は、著名な経済学者を一同に集めて、世界が直面する諸問題の中から国連のミレニアム開発目標を中心に10の課題を選び、それぞれの対策を厚生経済学の観点から比較検討して、優先順位を決定するという試み。「あと500億ドルの資源を政府が自由に使えるとしたら、世界の福利、特に開発途上国の福利を増進するための最善の方法は何か」という点でランキングを付ける。
この考え方で、一番費用対効果があるのは、HIV/エイズの抑制といった感染症対策。二番目は栄養不良と飢餓問題。地球温暖化といった気候変動対策は、便益を上回る費用がかかる、あるいは便益を得られるのがあまりにも先になる、という点から最下位に位置付けられてしまった。
単純に「費用対効果」という観点だけで、中身も時間軸も異なる諸問題を同じ俎上に載せるのは少し強引な気がするが、世界中の専門化による分析と議論を通じてグローバル・コンセンサスを形成していくのは大切なことだと思う。