天気も良く絶好の散策日和だったので 2時間ほど近くの野山を歩き回った。
子供の頃はこの界隈は自分の庭のように思っていたものだ。
あの頃は里山の手入れも行き届き野良仕事に精出すお年寄りも沢山おられた。
それで住民と野生の動物たちの棲み分けも自然調和で出来ていたようだ。
シカ類は奥山にこもり人目に付くような行動はしなかった。せいぜい狸や野兎が畦道を徘徊するくらいでそれは長閑なものだった。そんな童話の世界はもうない。
畑という畑にはバリケードが施され まるで獣害と闘う戦場である。何がどうなった? 「人間」が自然から見放されようとしている象徴なのかもしれない。
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そう。あの頃は長閑な中にも創造根源からの平和のひと時があった。少なくとも 『人』が自然にその『魂』を以て帰依する限り 自然は『人』を裏切ることはなかったのだ。それが 何時頃からだろう 『人』が「人間」に変容し 「悪魔性」をその各自の心身に住まわせるようになってから 『人』は自然神の代行者では無くなったのである。