ほっぷ すてっぷ

精神保健福祉士、元新聞記者。福祉仕事と育児で「兼業」中。名古屋在住の転勤族。

近所のある朝鮮初中級学校

2010-10-03 22:16:24 | Private・雑感
日曜日。近鉄で2駅向こうの朝鮮初中級学校のオープンスクールに初めて行った。
その数日前に、オープンスクールで発表するという
生徒たちの民俗舞踊と民俗打楽器の練習風景を見る機会があり、
それに感動したから。もう一度見たい、と思ったからだ。

ステージでは、ファッションショー、独唱、小学校高学年と
中学生の女子による踊り、中学生男子の打楽器の発表があり、
それに「我が校のお笑いグループ」と紹介された
男の子達が「朝鮮学校にも高校授業料無償化を!」と
レンジャーモノの格好で笑いを誘っていた。

踊りでは、彼女たちの腰の伸び方とか指先までのしなやかな動き、
プロかと思うような笑顔に圧倒された。
打楽器は、今まで聞いた打楽器演奏の中でもかなり自分の趣味に合うというか、
曲としての完成度が高い感じがした。
かっこいい。知り合いが、朝鮮打楽器のひとつで、両手でバチを持つ
やつを習っていたが、その気持ちがよくわかる。

ステージを見終わって感じたことは、
彼らにはこの学校が中心で、だからこそ完成度の高い発表とか、
署名活動の傍らで政府を皮肉ったようなお笑いネタとか、
仲良さそうにやってのけるんだなあということ。
小学生低学年まではバスで通っているというが、
1時間揺られるところもある。学費が高い上に校舎はぼろく、交通費も月3000円かかるという。
それでも、この学校に通わせたい親や、通いたいと思っている子どもにとって、
この学校が時間的にも精神的にも真ん中にあるのだ。
子ども達のまとまり感は、少し異様に見える部分もなくはないが、
北朝鮮とのつながりというところではなく、子ども達にとっての
学校が、(今では?)ほかとちょっと違う、というところが
説明力が大きい気がした。

会場は、ちょっと地味系の男女がいやに多かったが、
県教職員組合の青年部の人たちのよう。スタッフをしている人もいた。
今の子どもは、部活さえ地域のクラブに入ったりして、学校が
中心ではない。
若い先生たちは、小さくて貧しいこの学校をどう思ったのだろう。


この学校では、オープンスクールを初めて4年目だとか。
ステージ発表の前には、ここに通う幼稚園~中学生までの
各学年(1クラスのみで、5~10人くらい)の授業参観もあった。
授業料や時間割、朝鮮学校があることの歴史的意義などをまとめた
県教組青年部によるパンフもあった。
学校に立ってみると、本当は支援制度などで、たとえばカトリック系私立などと
変わらない存在でしかるべきだと思うし、
在日朝鮮人だって、ただの朝鮮人、韓国人であって「在日」なんて
いらないと思う。
かつて韓国が独立し、日本で学生時代を過ごした人たちが大統領になったように、
北朝鮮に戻って民主化を進める子が出てきたりするのだろうか、
とふと想像しながら帰りました。