ほっぷ すてっぷ

精神保健福祉士、元新聞記者。福祉仕事と育児で「兼業」中。名古屋在住の転勤族。

坂の上の雲と晩婚化

2010-10-07 23:29:54 | Private・雑感

ある中小企業の会長(70歳)と話をする機会があり、
晩婚化に話が及んだ。

「いろいろやりたい」と言ったりして、男性も女性も晩婚化が進んでいる。
35歳くらいで赤ちゃんが出来て、それから子育て。
「そうすると、男性も女性もだけど、体力的にもキャリアの中でも
 一番働き盛りで仕事が出来る30代後半から40代にかけて、家庭が忙しいことになる」

たとえば、営業先で夜の席を誘われても、子育てがあるから帰らなくちゃいけないとか。
がむしゃらって訳にいかない事情ができる。
女性も働いていることも多いから、家庭をまるっと任せることもできない。
「それじゃ営業にならないんですよ」。

それでも、30代だって40代だってワークライフバランスは大切だ、
と思いながら聞いていたが、会長の話には続きがあった。
「そうまでして、20代のうちに何がやりたいんですか。
 そんなに何かを蓄積してるようには見えない。ただ、何でもやってみたいというだけで」
仕事や人生に、生かせるようなことをしているのか、ということだ。

ではなぜ、若い人が道を定められないかのように方々を見て、
時間を費やすのか。
「私たちの時代は、坂の上の雲が遠くに見えていた。少なくとも坂は見えていたんですね」
現代は、その道が見えず、または人によってだいぶ違う。
坂を探したり、コンセンサスをとったり、というのに時間がかかるのだ、と。

一般論として聞きながら、身にしみる、傷口にしみるようなボディーブローだった。
何がしたくて、何をしているのか。
自己を省みる時間と体力がなく、もうこんな時間になってしまった。