ほっぷ すてっぷ

精神保健福祉士、元新聞記者。福祉仕事と育児で「兼業」中。名古屋在住の転勤族。

カイロ2―ビル郡を探して

2011-10-04 13:28:10 | Private・雑感

●カイロのビル郡を探して
 2日目は、「カイロの中心」を求めて歩きました。
銀行や国営企業、外資系企業のビルなどが集まる場所が
あるはずだーと思って、それらしき方向へ歩いてみたのですが、
なかなかない。
そしてやたら軍や警察がいる。
大統領府として使われていて、使われていた当時は半分を
公開していたというアブディーン宮殿はクローズ。
やたら人が出入りする廃墟があると思ったら、Police office
(おそらく行政手続き用の?)だし、
緑の建設用の垂れ幕のようなものに囲まれた建物はNotional bank
だというし(おそらく支店)、近代的建物など全然出てこない。
郊外からの長距離路線発着駅、ラムセス駅に着いたら
ようやく駅越しに大きなビルが見えた。Post officeのようでした。

カイロは一箇所にビル街が固まっているということは
ないのかな、と思い、地下鉄でカイロタワーへ。
上から見下ろすと、やはりビル街はちらほら分散していて、
古くて崩れそうな高いビルがけっこう多い。
「ピラミッド以降建築技術は発展しなかったのか!?」と思う
くらい、大きなホテルと宮殿やモスクなどの建物以外に、
おおーっと思うものはなく、思いがけず都市の居心地の悪さを
感じてしまった。
建物の立派さなんて、見栄の表れだーくらいにしか思っていなかっ


が、建築物のある程度の秩序や安定感がないと、都市としての
信用をなくす、といえるかもしれない。

●富裕層の集う場所?
 というわけで、ビル郡はあきらめ、大商業施設を見るべく
中心地から空港の方面にタクシーで約40分、シティースターズに
行ってみた。正確には、シティースターズという大複合施設の中の
大ショッピングセンター「シティーセンター」へ。
 シティースターズは、インターコンチネンタルホテル3つ、オフィスビル、210室のアパート、病院の機能が合わさった街で、
「中東最大、7.5haに800ミリオン$以上が投資されている」とうたっている。
http://www.citystars.com.eg/citystars/corporate/
空から見えたウソピラミッドも、このビル郡の中にある。
 センターの中は、日本人にとっては普段使いのものから
豪華なドレスまで、という感じで、見慣れた専門店街だ。
ただし、規模がでかい。
 映画館も、パイレーツオブカリビアンの看板があったから
欧米系が多いのかもしれない。ただし、本屋のベストセラーの棚には
コーラン。書店お勧めの棚にもコーラン。
 お客さんは欧米の人というよりエジプト人で、カイロもこのような
投資に見合うだけのマーケットになってきたということか。
他にこのような施設がなかったから、ここまで思い切った施設が
出来たのだと思う。

●カイロの夜
 あっという間にカイロ最終日の夜。ナイル川の周りに人が集まる。
ここだって車の排気ガスがすごい気がするのだが、みなどこ吹く風。
ナイル川に浮かぶ電飾で飾った船には、カップルや家族が大音量の音楽を
楽しむ様子が見える。水の上だけがカイロ中心部のオアシスといえるのかもしれない。
 翌日は、オールドカイロに立ち寄り、この日にトーマスクックで急遽手配したカイロ→アテネの飛行機に乗った。
1週間エジプトにいるとしたら、だんぜん田舎がいい。
久しぶりに旅日記を書くと、パソコンが古いこともあって
なかなか進まないな・・・。挫折の予感。


カイロ1―ピラミッドと青年との会話

2011-10-04 11:34:20 | Private・雑感

トルコ航空での旅。イスタンブールで5時間待ち、いよいよ
カイロに入った。飛行機からは土色の大地に、まっすぐ伸びる
道。空港から降りても、街の中も砂漠も、今思えば同じ色。
初めて(一応)アフリカ大陸に着いた。

●宿へ
 旅の前に、カイロの安宿だけ予約しておき、空港にも迎えに
来てもらった。街中までは1時間弱。乗り物ばかりで酔ってきた。
交通マナーは恐ろしく悪い。タイやベトナムは、バイクが多い分
なんとなくみんながよけ切れそうな予測があったが、カイロは
ほぼ全てが車。後で聞くと、4500ドルくらいから買えるそうだ
(きっと中古だろう、道の上にはバックミラーやサイドミラーが
 取れ、電気コードむき出しの車がわんさか連なっていた)。
横入りの車にひやひやしながらダウンタウンに到着。

 カイロでの一番の失敗かな、と思うのだが、ダウンタウンは人が
住むところではない。古くからの衣料品やカフェが1階部分に
ぎゅうぎゅう詰めになっていて、薄暗くて崩れそうな階段を登って
いく。Berlin Hotel という名前の宿だが、人は悪くなかったし、
トイレやシャワーも割りときれいだったのだけど、この階段と
蚊には疲れ倍増だった。最初からこんなこと書くのもなんだが・・・。
後でタクシーの運転手らに聞いても、「僕はstupidじゃない、
郊外の町から1時間かけてカイロに来てるよ!」などと言っていたし、
少しはずれたオールドカイロなどは少し住みやすそうだったので、
カイロ人もダウンタウンには住みたがらないのではないのかな、と
思っている。

 宿の人が、「エジプト人は親切だが、一部の人はあらゆる手を
使ってあなたのお金を取ろうとする。どこかへの行き方を教えたり
して、『これはEgyptian Hospitalityだ』と言う。でも、本当に
親切な人は自分でHospitalityなんて言ったりしない!
よく気をつけて」。これからカイロに行こうと思う人のために
一応書き留めておきます。

●ピラミッドへ
 ピラミッド、といってもいくつもあるのか――とガイドブックを
見て初めて知った。ピラミッドの役割はなんだったのか、いくつも
説があるらしいが、寺院のようなものだと思う。一番有名なギザの
ピラミッドではなく、その手前にある、比較的には小規模な?
アブーセール、サッカーラ、ダフシュールのピラミッドを見に行った。
大それたことを言う知識はないが、「これほどに残っていれば、
研究しないわけにはいかないだろう」と思ってしまうほど、
4500年前のものが目の前にある。
人間、目にしたものから疑問がわき、研究が生まれる。
そこから探求があり、ツタンカーメンの財宝など、信じられない
発見もある。
本を読むことも同じ意味で大切だが、目の前のものは圧倒的な
力で疑問を投げかけてくるものだ、と分かったような分からないような
感想を抱いた。
とりあえず、現物のピラミッドを見てからエジプト博物館に行くことを
お勧めします。

●「子どもは2、3人でいい」
 カイロの初日、カイロ大学の4年生という青年と、その友人で30歳過ぎの中学校教師と話す機会があった。
「政変後は何か変わった?」「景気はどう?」なんて話をしていて、
印象的だったのは、もうすぐ2人目の子どもが生まれるという男性教師の方の言葉。
彼は7人兄弟の上の方らしく、今も、自分の家族とは別に
幼い兄弟のために世話をしなくてはいけない。
「こんな苦労を自分の子にはさせたくないから、自分は2、3人で
 いいと思ってる」。
子どもが農業の担い手ではなくなっていき、教育が必要となることで
教育コストは高くなる。労働者としての「投資」ではなく、立派な
子どもを育てることを目的とした「消費」の意味に近くなる。
その過程で、親だけでなく兄弟たちが下の子どもたちの教育費など
を払う段階が出てくる。
インドでであった青年も「働いてもたくさんお金を親に払わなくては」と言っていたな。同じ理由を言っていた気がする。
この負担が、少子化につながる、、とあまり真剣に考えたことは
なかったが、そういうモデルもありだと思う。(ありそうだ)。
教育費の上昇率、もしくは都市化と、少子化。
参考

この2人にしか聞いていないが、政変後初の選挙への期待は高い。ただ、後ほど書こうと思うのだが、ムシャラフ前大統領に対抗していた、次の与党最有力の党はムスリム同胞団という。すなわち、イスラームを前面に出す政党のようなのだが、これがどうエジプトを導くだろうか。政教分離を打ち出したトルコを見た後、なおさら興味深い。ムスリム同胞団の政策を少し調べた上で、何か書けたらいいかなと思っている。


カイロ、アテネ、イスタンブールへ

2011-10-04 09:27:02 | Private・雑感

会社員になって初めて、9連休を取った。「結婚休暇」というやつだ。
エジプト・カイロ、ギリシャ・アテネ、トルコ・イスタンブールの3都物語。
政変が起きたカイロや破綻国家寸前のギリシャ、イスラエル大使館テロで
揺れるトルコ、と現代沸騰都市を垣間見ようと、なんとなくこんな
旅になった。
元々世界史に疎いこともあり、知らなかっただけに興味深い
歴史の世界、民族の世界に思いをはせた部分も多い。あまり考えていなかったが、3都市はかつてビザンツ帝国(キリスト教国)であり、その後はオスマントルコ(イスラム教国)の支配下にあった。その中で、政教分離を強く打ち出し、強行に浸透させた1922年以降の現代トルコの力強さが、際立っているように映った。

最近の旅にはなく忙しい日程になったけど、「3都比較」に
意味があった、ということでよしとしよう。
それにしても、金沢から関空が一番遠く感じた…。

(日程)
9月25日22:50 関西空港→カイロ
  26日カイロ
  27日カイロ
  27日カイロ→アテネ
  28日アテネ
  29日アテネ→イスタンブール
  30日イスタンブール
10月1日イスタンブール
     23:50発
10月2日関西空港着 (→金沢)

<参考資料>(外務省HPなどから)

<colgroup span="1"><col style="width: 54pt;" span="1" width="72"></col><col style="width: 99pt; mso-width-source: userset; mso-width-alt: 4224;" span="1" width="132"></col><col style="width: 107pt; mso-width-source: userset; mso-width-alt: 4544;" span="1" width="142"></col><col style="width: 104pt; mso-width-source: userset; mso-width-alt: 4416;" span="1" width="138"></col></colgroup>
  エジプト ギリシャ トルコ
人口 7870万人 1113万人 7370万人2010)
民族 アラブ ギリシャ トルコ
言語 アラビア ギリシャ トルコ
宗教 イスラム90%、コプト7% ギリシャ正教 イスラム
面積 100km2 13km2 78576km2
GDP 1883ドル(2010) 3299ドル(2009) 7358ドル(2010)
あたりGDP 2070ドル 29241ドル 10079ドル
実質成長率 5.20% △2%(2009) 8.90%
物価上昇率 16.50% 4.23% 6.40%
失業率 8.80% 16.7%(2011/6) 11.90%
産業 農業14.6%、鉱工業17.5%、貿易金融18.4%、石油12.9%、運輸10.6% 海運観光農業軽工業 サービス74.7%、工業17.9%、農業8.4%
歴史
ローマ BC1~ BC2~ AC4~
ビザンツ 4C~ 4C~ 4C~
  7C~イスラム   1071~1243セルジューク
オスマントルコ 16C~ 15C~1821 1299成立
  19C~ムハンマド・アリ    
独立 1922 1821 1919~1922祖国解放、トルコ共和
    1952NATO加盟、1967~1974軍事政権 1952NATO加盟