NHKドラマ「開拓者たち」

日本に帰ってきて、まずしたことは、録画してあった「開拓者たち」の続きを見ること。
NHKの新年企画・ドキュメンタリードラマ。これは絶対に見るべきです。

戦前、満州に渡った人たちの多くは「食い扶持を減らすため」。
人口が増え、でも食糧生産は増えない。農家にいても飢え死にしそうな家があった。
このドラマは、満州に出てきて、写真の相手と結婚した「大陸の花嫁」たちが、
肥沃で広い大地で耕作し、家庭を築き、戦争の始まりにより戦渦に巻き込まれ、
警備するはずだった関東軍に見捨てられ、赤ん坊を抱えて中国まで逃避行し、
徴収された男たちはシベリアへ送られ・・・終戦後、何年もしてから日本に帰った後も、
もともとは故郷を追われて出てきた彼らは山を開拓して生きた。
栃木県・那須が、その開拓村のひとつだったなんて知らなかった。

人口が増えても生産性は上がらず、どうにもひもじくて生きる場所を開拓せずには
生きられなかった時代。今の人口減少時代にいる私たちには、想像しにくい。
それでも必ず知っていなくちゃいけない時代だと思う。飢えや危険が、人間に降りかかった時に
どうなるのか。この人たちはどうしてきたのか。

最後、那須の開拓で、高地ゆえに冷害も多く、政府に陳情する動きとなった時。
開拓団の代表はこう言った。
「満州で、私たちを守るはずの関東軍は真っ先に逃げ、そのせいで私たちは本当に命からがらに
　生き延びてきた。満州開拓に旗を振った人たち、太鼓をたたいた人たちも、帰ってきた私たちに
　対してとても厳しかった。
　その関東軍に恩給がつく。私たちはだまってみてはいられない。」

今、BSで再放送してますので、ぜひ。
http://www.nhk.or.jp/program/kaitaku/