ほっぷ すてっぷ

精神保健福祉士、元新聞記者。福祉仕事と育児で「兼業」中。名古屋在住の転勤族。

関心のレベルアップ

2006-09-12 08:57:04 | Private・雑感
デンマークに来て、友人の卒業論文を読むとは思わなかった。


わたくしの居る大学は、コペンハーゲン・ビジネススクール(CBS)といって、大きく分けて語学系とビジネス系のコースがある。わたくしの取っている授業は、2つが英語(語学系)、2つが経済学(国際経済学と、開発経済学:ビジネス系)である。そのうち1つは週に3時間×2コマで少しハードだが、それでも週に5つしか授業がない。大きな声では言えないが、うまいことに木曜と金曜には授業がない。

すなわち、今のところけっこう暇だ。特に先週まで。

こんな環境の中で自分で少し驚いているのは、いろんな関心が増えてきて、頼まれもしないのに論文を読んだりしていることだ。最初は、デンマークの移民政策がどんな感じなのか知りたくなって、読んだり書いたりしていた。その次には「ワシントン・コンセンサス」という単語が気になって(この単語について一行程度の知識しかなく、恥ずかしくなって)調べたりしていた。基礎知識が着いたところで、「構造調整といえば」と彼の卒論を初めて読んでみたのだった。

読もうと思ったのはこれが初めてではない。2度くらい試みたが、前書きがなんだかかっこよくて、悔しくて(?)ファイルを閉じた。変なところで負けず嫌いが出る性格なのだ(笑)。開発経済政策に人並み(以下?)の興味しかなかったのが大きいのかもしれない。

読んでみて、面白かった。自分の卒論と比べて落ち込んだりはしなくなったあたり、大人になったというか年をとったというか。脚注に登場するさまざまな開発政策に対する経済学者たちの見解も、今のわたくしには刺激的だった。そして読み終わった直後、ふと、「やっと私も関心が彼レベルまで来たか」と思った(笑)。

その人の持つ関心、関心のレベルで、その人がどんな人か、少なくとも自分にとって刺激的な人かどうかが分かれてくると思う。ただ違う国に住んでいるとか、違う言葉を使っているとか、違う宗教を信じているとか、それだけでは自分にとって刺激的な人というわけではないみたいだ。その上でその人が今、何に関心があるのか、というところなのだ。何が言いたいのかと言うと、ときどき、「周りはみないろいろな国から来ているけど、ビジネスを専攻しているという点では同じなんだな」と感じて、(そこまで変人はいない気がして物足りなくて?)、その点では日本の、小さなゼミの中の、同期や先輩たちが刺激的だったのはなぜだろう、なんて思ったりするのだ。あと、総合大学と専門大学で、集まる学生の雰囲気は相当変わるんだろな、(慶應は総合大学でよかったな)とも感じる。ビジネス系の学生は、studyではなくてpracticeのために大学に来ているのかな、と漠然と思ったり。

とにかく思わぬ関心が出来て、それをふらっと調べたり読んだりする時間があるのは素晴らしく贅沢なことだと思う。

「修士の学生が、知って損することなんて何もないからな」

と先生がお酒の席でおっしゃっていたことを思い出し、今はふらふら漂ってみたい気分でいる。今週から授業がだいぶ忙しくなりそうではあるが・・・。

(余談)
偶然にも、昨年の今日か明日かこのあたりは、彼を含めて友人たちと旅行をしていた時期だ。11泊12日くらいの車の旅、11日は最終日くらいだと思う。実はドイツ旅行の最終日、ドレスデンで夕陽が沈むのを見ながら、「彼とは、一緒に朝日も夕陽もたくさんたくさん見たのに、なぜ恋に落ちなかったのだろう」とまじめに疑問に思ったりした。必要条件はそろっていたのに(笑)。
今、デンマークにも、私なりに必要条件がそろっている男の子が居て、ちょっと毎日が楽しみなのだが、年下なのが少し気になる。「友達を作る、なんて甘いぞ。恋人を作る気じゃないと英語なんて身につかない」と別の友人の声が聞こえる。明日、girlfriendが居るのか聞いてみよう。