クリスマス休暇中で市場参加者の少ない環境の中で、やはり普段より値動きが荒くなってきた。とは言え、市場参加者が少ないといっても、既に人手を介した注文よりロボット・トレード(コンピューター・プログラム)が制する市場ゆえに、相場の質が変わっており、そもそもこうしたホリデーシーズンがどうのこうのという話自体の意味も薄れているのだろう。
昨日は、米7-9月期のGDP確報値は驚いた。5.0%にもなるとは。改訂値が3.9%で市場予想は4.3%になっていた。いずれも前期比年率での話だが、2003年の7-9月期以来11年ぶりのことらしい。詳しく調べていないが、2003年のQ3なら春からブッシュの戦争(イラク戦争)が始まっていたので、政府支出が4-6月期に比べ急増していたのかも知れぬ・・・・と、ニュースを読んで思った次第。その前年はグリーンスパンによるITバブル崩壊後の低迷を抜け出すための大型金融緩和もあり、市場はカネ余りムードが高まっていた。あの時は、結局、戦争が始まりそれとともに本格浮上ということになったと記憶している。つまり、その時並みの成長率になったということ。つまり、この夏(7-9月期)のアメリカの景気は全好調だったということになる。
このGDPの結果を見ると、ばら撒きは止められても利上げなどとてもできません・・・・などとノタマイ、スマンスマン、ということだが(自分のことです)、NYダウはついに1万8000ドルを突破し、米国版ヤマト運輸の物流大手UPSの1日の取扱量が22日に3400万戸を超えて過去最高を記録したとのこと。年末商戦も絶好調のようなのだ。
・・・・にもかかわらず。パッとしない指標がある。それが住宅関連の指標で、11月の新築住宅販売は前月比で1.6%減少し43万8000戸。市場予想は46万戸への増加(前月44万5000戸)を見ていたから、予想外の減少ということに。
一方、中古住宅販売も11月は前月比6.1%減の493万戸となり、予想値の520万戸を下回ることになった。実は先行指標となる10月の中古住宅販売成約指数が前月比でマイナス1.1%になっていたので市場予想はわずかに減少を読んでいたのだが、大きく減少となったことに意外性があった。ずれにしても、長期金利も下がり(住宅ローン金利は連動して下がる)、雇用も増え、株式市場も好調に推移していた環境は、住宅市場に追い風が吹いていたことを意味する。
もともと振れが大きいのも特徴とされるが、好環境の中で住宅部門がパッとしないのは、なぜか。投資を目的とした購入が、緩和縮小を嫌い、逃げているのかね。中古住宅ならそれはありそうだが・・・・。