亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

ワシントン協定駆け込み売却は吸収

2007年09月27日 20時11分55秒 | 金市場
本日は夕刻5時からに日経CNBCの生放送だった。持ち時間は5分。最後はやや押してしまい一人でしゃべってしまった。事前に担当のベテランKディレクターからは「ワシントン協定(WAG)の売却結果について話してほしい」との依頼があり、テーマは9月上旬から決まっていた。9月27日というスケジュールがWAGの最終日26日に最適ということからの企画ということか。その最終結果は、もう少し時間が経過しないと判明しないが21日のECB(欧州中銀)の発表では、先週ユーロ圏で2トンほど売却が見られたということなので、ここまで443トン。この6月、2009年のアグリーメントの満了までに250トンの売却意向を示したスイスが、7月、8月と合計82トン売却しており、過去の事例からおそらく9月も同様のペースで売却しているであろうということで数字を乗せると480トン程度になった模様。フォワァード取引などもあればメデタク500トン達成ということになる。それでも昨年ほどの影響が見られなかったのは、ひとえに地合(ジアイ)の良さということだろう。金ETFの増加に鉱山ヘッジの解消が、公的売却を吸収してしまった形だ。問題は10月以降となるが、イタリアの政権内部に売却意向があったり、またIMF保有金売却案も浮上する可能性がある。IMFはラト専務理事の辞任で人事が確定するまでは、この事案は後回しだろうから仮に出たとしても11月以降ということになりそうだ。後任はストロスカーン仏元蔵相で決まりらしい。イタリアは2008年度の予算編成に絡んで話が出そうだが、ここは意外にもこれまで中銀は売却に反対意向を示した歴史があるので、難しいのではないか。

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2 コメント

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仏・伊・独の金売却 (ノリック)
2007-09-27 23:40:22
この三国は、金を大幅に売りそうにも無いですね。中央銀行や政府、議会のそれぞれの思惑があって、金の売却は進まないですね。



枠だけは確保して売らないのでしょうか?





ところでIMFは金を売る決断はするのでしょうか?アメリカさえ賛成してくれれば、実現しそうですが。



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IMF (K)
2007-09-29 08:20:02
投票権の85%の賛同を得られる可能性が高まれば議案として取り上げるでしょうが、一国で15%を超える投票権を持つ米国が実質的な拒否権を持ちます。それには米国議会の賛成を得なければならないので、難しそう。民主党主導の議会になっているので売却目的にもよるかもしれませんが、やはり難しそう。議論が高まればニュースで流れるでしょうから、察知はできます。拒否されるにしても価格が上昇しているので、売ろうという声は高まるかも。
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