11月30日のネット版ウォール・ストリート・ジャーナルが報じ、それを日経本紙も12月1日付の朝刊トップで取り上げた「サブプライム債務者救済」プラン。具体的には変動金利型のローンで来年以降見直しの期日が到来するものを先送りし、当面は据え置こうというもの。7年程度遅らせることで、月々の返済負担を従来通りの低水準に抑え、担保住宅の差し押さえや競売を回避し、延滞の発生自体も抑えようというものだ。このプランは、傷んだサブプライム関連商品の買い取り機関設立構想よりも市場の受けがよく、足元のNYダウやドル相場の下支え効果を発揮している。先週は27日にアブダビ投資庁がシティへの出資を発表。これについては11%のクーポンレートという異例の条件からすでにシティ債がジャンク債化していることが判明した。その後週末に掛けFRBコーン副議長、そしてバーナンキ議長とも次回のFOMCでの利下げに対して「柔軟な姿勢」を強調したことから、市場は小康状態となっている。こうした一連の動きは、偶然重なったというよりも、戦略的に打ち出されていると見ていいのではないかと思う。いわゆる「ポリシーミックス」と呼ばれるものの、一形態ということだろう。ただこのなかで当座の金融危機に役立つのは、金融機関への直接的な資本注入であるから、この先も「政府系ファンド」による“制空権”の拡大は続きそうだ。全般的にはドルの下げも一休止(いっぷく)ということで、NY金市場を中心にファンドの手仕舞い売りが続くことになる。
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http://ensaigaisai.at.webry.info/200711/article_20.html
「借りたモノは返す」のは資本主義の原則です。でも借りた当時と金融情勢が著しく異なるなら、返済条件を変更して大勢の国民が苦境に陥る状況を防ぐのは「政治の役割」なのでしょうね。
この救済策が実現すれば米国の消費需要の落ち込みもある程度「救済」されるかもしれないと思いました。
次のFOMCがどうなるか、市場の反応はどうなるか、さっぱりわかりません。
わからないと言えば、ユーロ(地域通貨)の今後もさっぱりわかりません。サブプライム問題に係って金融危機が起きた時、ECBの対応は果敢なものでした。国民国家を超えた中銀が機能している、と強く感じ入りました。ただ、不況対策などは財政政策も必要。不況時は政治統合が果たされていない事がユーロの弱みとして認識される状況が今後でてくる可能性があるのではないかと思いました。