「質への逃避」か内部要因か？

経済指標の悪化のスピードのあまり速さに警戒感が高まるなかでのGM、シティという業界大手の経営不安の高まり。再び、と言うより引いては寄せる波のように何度目かのリスク忌避モードの高まりは、歴史に残るような値動きをつくっている。いまは米国債への資金集中。短期債はすでにゼロ金利に近いところまで行って話題になっていたが、2年債が約35年ぶりの高値にまで買い進まれ、利回りは低下1.01％に。もっともリスク忌避の結果ではあるが、債券市場がデフレの到来を示しているともいえる。同時に12月のFOMCでの利下げをも織り込み済みとなってきた。利下げを好感した買いに被さるように金市場では、Flight to Qualityいわゆる「質への逃避」の傍流としての買いも入っている。日本時間の今夜、NYの早い時間帯での上昇が目立っているのは、テクニカル要因からショートカバー（空売りの買い戻し）が入っていると見られるが、基本的には金融市場の緊張の高まりのなかでのドル安を映した動き。このところのレンジを上抜けるのか否か。NYの先物の限月交代期という特殊要因も重なっている。