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亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

相互に影響し合い、事態は進む

2009年05月26日 15時59分36秒 | 金融市場の話題
債権者との話し合いの最終日が26日すなわち本日に設定されているGM。調性的破綻を選択することで債務を切り離し、身軽になった上で早期の再生を狙うが、身軽になるための方策が特に雇用など個人部門に影響を与えるかたちで広がり、実体経済には予想以上のダメージになるのではなかろうか。・・かと言って延命策は問題の先送り赤字の垂れ流し状態となるは必定。両者を比較考量した結果、破産法適用申請が合理的判断となりそうだ。国内外でハイブッリッドカーへの引き合いは強いとされるが、少なくともGMには追い風どころかむしろ向かい風状態だろう。消費者は人気商品を買うことで自分の購買行動の正しさと合理性を確認するという、いわば自己満足・安寧のパターンを一般的に取る。傷ついたGMブランドが安いからといって売れ行きが復活するとは考えにくい。

今夜はS&Pケースシラー住宅価格指数の発表がある。日本時間の22時の予定。値下がり幅がどれだけ縮小しているかが注目点。

さらに今週は4月にもあったが1010億ドルと週間ベースで過去最大の米国債の発行が予定されている。まず本日は2年債を400億ドル、27日には5年債を350億ドル、28日に7年債を260億ドル入札の日程となっている。本日は、入札前にFRBが2010-32年に償還期限を迎える債券の買い入れを予定しており、試合開始前のグランド整備という趣。2年ものはまだしも、環境から考えるに長いものは引き合いが薄くなるリスクがある。先週末は英国債格下げ見通しから米国債にも売り物が出て米長期金利(10年もの米国債金利)は3.45%台に乗せていた。連休を控え週半ばから取引が落ちているところにブラジルの大量売りがきっかけを作ったとされる。

金利水準で思い出したが、米国ではサブ・プライムではなく「プライム」の住宅ローンの焦げ付きが増えているという報道があった。焦げ付きリスクの低い、すなわち信用度の高い個人向け住宅ローンの90日以上の延滞や差し押さえが増えているという。背景にあるのは失業。延滞から差し押さえまで事故件数は昨年11月以降2月までに47万3000件増え150万件に達しているという(NYタイムズ)。GM問題(⇒失業率の更なる上昇)、債券市場(金利上昇はローン金利に影響)にも関連するニュースといえる。相互に影響し合って、事態はドンドン進む。これを相互作用性という。

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2 コメント

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Unknown (Unknown)
2009-05-26 23:15:40
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相互作用性 (投資家初心者)
2009-05-26 23:23:51
先ほどは誤って変な投稿をして申し訳ありません。決して掲示板荒らしではありません。先生のおっしゃる通り景気の悪化、住宅ローンの焦げ付き増加、大量の国債発行によるドルの信用失墜、それによる長期金利の上昇など、金価格を押し上げるには十分な条件が揃ってるように思われますが、FRBなどはまだ、奥の手があるのでは?私には想像もつきませんがそう簡単にひっくり返らないような気もしますが。
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