亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

米、住宅分野のノイズがまた上がって来た

2010年10月26日 23時54分41秒 | 金融市場の話題

SPケース・シラー住宅価格指数、8月分だが10都市、20都市ともに前月比下落となった。それぞれ前月比で-0.2%、-0.3%となってる(季節調整後の数字)。今年の4月まで前月比で6ヵ月連続で下げ、4月以降は緩やかだが上げに転じていたが再び下落。前年同月比つまり1年前でみると10都市が+2.6%、20都市が+1.7%となった。ただこれも20都市の市場予想が+2.1%で予想を下回る結果に。現地のアナリストのコメントを読んだが、下げの第2波がやってくるというものだった。2012年に底打ちとしていたが、この予想が当たる状況が仮に来るならかなりの混乱が待ち受けることになる。

 

米住宅関連では、数ヵ月前から浮上しここにきて動きが急になっているものに住宅ローンの買い戻し問題がある。足元で政府管理から抜け出せない政府系の住宅金融公社にあたるファニーメイ、フレディマックの2社が、民間銀行から買取ったローンの中にろくな審査もせずに貸し付けたものに焦げ付いたものも多く、それらの買い戻しを要求し始めた。ならば・・ということだろう民間の投資会社なども買い戻し要求の輪に入り始めたことから、金融界を揺るがす問題になりそうな気配が濃くなっている。

 

証券化で他にリスクを飛ばしさえすれば、手元にリスクは残らないだから貸し出しがルーズになったという指摘は、理解できる。さらには住宅価格は必ず上がるもの・・・という住宅神話も後押しした。実際、戦後80年間に渡り下げていなかった。すでにバンカメは買い戻しに備え引当金を積んだ・・・ということは非を認めたということになる。折しも住宅差し押さえ問題でも銀行の書類不備が指摘されており、差し押さえ、競売という手続きも滞りがちとされる。そんな中で、住宅価格の回復にも陰が差すとなると、悪循環に陥ることになり兼ねない。結局、米国の問題は住宅に始まり住宅に戻るということだろう。このなかで量的緩和策は不可避となる。

 

 

 

 


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