歯界展望という業界誌があるのですが、
1月号に載っていた臨床の写真を見て、涙が後から後からあふれて止まりませんでした。
「ここまできてしまったのか?」
という思い。
「この娘はどう生きていくのだろうか?」
という絶望感。
悲鳴をあげたくなりました。
<不正咬合の病因と病態生理>
14歳の少女の口腔内です。
無舌症でもあります。
2枚目は下額と上学のコンピューターグラフィックス。
3枚目は横顔。あどけない顔のシルエットがなおさらに涙を誘います。
4枚目は、正面と上頭部からのCT画像です。
幸い日常の生活で摂食、咀嚼、嚥下に支障なく顎口腔機能は鋏状になった上下歯列や口蓋に接する下顎臼歯と周囲軟組織が連携して営まれているのではとの推測でした。
発語にわずかな異常が見られる程度だそう。
それにしても、これは見るに堪えない状態です。
無舌のためか、歯は舌側に倒れこみ、上下の噛み合わせは全くないようなアンバランスさです。
大阪の三浦クリニックの三浦直樹先生が小児科医の頃、産科の立会出産でのっぺらぼうの赤ちゃんを3例取り上げたという話を十年近く前に聞いたことがあります。
このような子どもがとても増えているということを、本来ならばもっと周知しなくてはならないことなのかもしれません。
顎口腔機能の初期発達は不正咬合の発症にどのように関わるのか?
顎顔面の成長に関わる顎口腔機能は、胎生12~12.5週にはすでに口唇閉鎖と嚥下反射、22週には口唇突出、24週には吸啜(きゅうせつ)反射が見られ始めます。出生後の授乳に必要な機能や反射はすでに胎児期に獲得されているということなのです。
胎児期に異常がない限りは機能と形態がバランスのとれた状態で発育のスタート地点となります。
これだけでも、いかに胎児期の初期の母体の状態(食生活や精神状態など)が大切かということがよくわかると思います。
新生児期(乳前歯萌出前期)の授乳と嚥下は、上と下の口唇と口の周りの表情筋の収縮、舌の前後運動のコンビネーションによって成しうるものです。生後5~6カ月の乳前歯萌出時期(離乳準備期)になると閉口筋と舌骨上筋群のリズミカルな動きにより舌は離乳食を口蓋へ押しつける成熟型の咀嚼パターン(上下の動き)へ進化します。
つまり、授乳期の舌運動は蠕動運動、離乳開始期には前後運動、離乳後期は上下運動となるわけです。
生後10カ月~1歳の離乳後期(乳臼歯萌出開始期)になると、上下の乳前歯が生え揃い、食べ物を前歯で噛み切って取り込む摂食機能が獲得されます。
また、乳臼歯の萌出がはじまり、口角は咀嚼側が収縮するとともに舌は左右に動き(側方運動)、食べ物を歯槽堤に運び、歯茎に乗せ上下の歯茎でつぶし、咀嚼の機能が獲得されます。
嚥下は挙上筋により下顎が挙上されて上下の歯の咬合により固定され、舌尖は口蓋に接する成熟型に発達します。
しかし、不正咬合となる子どもには、舌突出などの様子が見られることが多く、舌背は口蓋まで十分に挙上されません。多くの不正咬合に付随する舌突出は咀嚼、嚥下機能の発達から考察すると授乳のための未熟な舌運動が残遺したもので、舌機能の発達の段階で上記の運動が十分学習できなかったものと考えられます。
最近の児童の歯列弓の形態は上下ともに幅径が狭小化し、特に下顎第一大臼歯(6歳臼歯)の舌側傾斜が著しく見られます。上下臼歯が舌側傾斜し、歯列弓が狭窄すると、咀嚼機能が低い乳前歯萌出から始まる歯列の成長過程において、舌が十分に挙上できなければ上顎の発育不全が、側方運動ができなければ上下歯列、歯槽の側方への発育不全、下顎臼歯の舌側傾斜が起こると考えられます。
<不正咬合になるとどうなるのか?>
生まれたときから始まる摂食、咀嚼、嚥下の学習過程で、舌の上下、側方運動、下顎運動の機能が発達せず、舌の前後運動が残遺した未熟な咀嚼、嚥下運動が上顎の未発達、上下歯列の狭窄、下顎臼歯の舌側傾斜を起こします。上顎の狭窄と高口蓋は、鼻道を圧迫し、慢性の鼻閉や鼻のアレルギー、アデノイド(扁桃肥大)と密接に関わります。
これは、上顎にお未発育により上気道が狭窄しての上気道障害です。
上気道は呼吸、嗅覚、発声などの機能とともに、扁桃など生体防御システムに密接に関与しており、上気道障害の口呼吸が、扁桃肥大や鼻アレルギーの一因となるのです。
口呼吸による開口は、頭蓋の後方回転、頸椎は前方傾斜し、上下歯列、歯槽の舌側傾斜と上顎前歯のフレーアウトを促進させ、下顎は後下方へ回転して成長方向が変異します。この高頸部の形態変化は乳歯列から混合歯列期であっても睡眠時無呼吸症を発症してしまう傾向にあるのです。
これは、いつもココロビオティックセミナーでお話させていただいているDr.プライスの「食生活と身体の退化」に見る、顎歯列の問題に通じる症例でした。
ほとんど受け売りの記事ですが、
大きくうなずく事例でしたので、備忘録として書き留めておきたいと思います。
健康顎歯列育成法松見メソッド 歯並び 子ども 拡大床 香川 高松 抜かずに並べる 隙っ歯 子どもの歯 大人の歯 歯医者
1月号に載っていた臨床の写真を見て、涙が後から後からあふれて止まりませんでした。
「ここまできてしまったのか?」
という思い。
「この娘はどう生きていくのだろうか?」
という絶望感。
悲鳴をあげたくなりました。
<不正咬合の病因と病態生理>
14歳の少女の口腔内です。
無舌症でもあります。
2枚目は下額と上学のコンピューターグラフィックス。
3枚目は横顔。あどけない顔のシルエットがなおさらに涙を誘います。
4枚目は、正面と上頭部からのCT画像です。
幸い日常の生活で摂食、咀嚼、嚥下に支障なく顎口腔機能は鋏状になった上下歯列や口蓋に接する下顎臼歯と周囲軟組織が連携して営まれているのではとの推測でした。
発語にわずかな異常が見られる程度だそう。
それにしても、これは見るに堪えない状態です。
無舌のためか、歯は舌側に倒れこみ、上下の噛み合わせは全くないようなアンバランスさです。
大阪の三浦クリニックの三浦直樹先生が小児科医の頃、産科の立会出産でのっぺらぼうの赤ちゃんを3例取り上げたという話を十年近く前に聞いたことがあります。
このような子どもがとても増えているということを、本来ならばもっと周知しなくてはならないことなのかもしれません。
顎口腔機能の初期発達は不正咬合の発症にどのように関わるのか?
顎顔面の成長に関わる顎口腔機能は、胎生12~12.5週にはすでに口唇閉鎖と嚥下反射、22週には口唇突出、24週には吸啜(きゅうせつ)反射が見られ始めます。出生後の授乳に必要な機能や反射はすでに胎児期に獲得されているということなのです。
胎児期に異常がない限りは機能と形態がバランスのとれた状態で発育のスタート地点となります。
これだけでも、いかに胎児期の初期の母体の状態(食生活や精神状態など)が大切かということがよくわかると思います。
新生児期(乳前歯萌出前期)の授乳と嚥下は、上と下の口唇と口の周りの表情筋の収縮、舌の前後運動のコンビネーションによって成しうるものです。生後5~6カ月の乳前歯萌出時期(離乳準備期)になると閉口筋と舌骨上筋群のリズミカルな動きにより舌は離乳食を口蓋へ押しつける成熟型の咀嚼パターン(上下の動き)へ進化します。
つまり、授乳期の舌運動は蠕動運動、離乳開始期には前後運動、離乳後期は上下運動となるわけです。
生後10カ月~1歳の離乳後期(乳臼歯萌出開始期)になると、上下の乳前歯が生え揃い、食べ物を前歯で噛み切って取り込む摂食機能が獲得されます。
また、乳臼歯の萌出がはじまり、口角は咀嚼側が収縮するとともに舌は左右に動き(側方運動)、食べ物を歯槽堤に運び、歯茎に乗せ上下の歯茎でつぶし、咀嚼の機能が獲得されます。
嚥下は挙上筋により下顎が挙上されて上下の歯の咬合により固定され、舌尖は口蓋に接する成熟型に発達します。
しかし、不正咬合となる子どもには、舌突出などの様子が見られることが多く、舌背は口蓋まで十分に挙上されません。多くの不正咬合に付随する舌突出は咀嚼、嚥下機能の発達から考察すると授乳のための未熟な舌運動が残遺したもので、舌機能の発達の段階で上記の運動が十分学習できなかったものと考えられます。
最近の児童の歯列弓の形態は上下ともに幅径が狭小化し、特に下顎第一大臼歯(6歳臼歯)の舌側傾斜が著しく見られます。上下臼歯が舌側傾斜し、歯列弓が狭窄すると、咀嚼機能が低い乳前歯萌出から始まる歯列の成長過程において、舌が十分に挙上できなければ上顎の発育不全が、側方運動ができなければ上下歯列、歯槽の側方への発育不全、下顎臼歯の舌側傾斜が起こると考えられます。
<不正咬合になるとどうなるのか?>
生まれたときから始まる摂食、咀嚼、嚥下の学習過程で、舌の上下、側方運動、下顎運動の機能が発達せず、舌の前後運動が残遺した未熟な咀嚼、嚥下運動が上顎の未発達、上下歯列の狭窄、下顎臼歯の舌側傾斜を起こします。上顎の狭窄と高口蓋は、鼻道を圧迫し、慢性の鼻閉や鼻のアレルギー、アデノイド(扁桃肥大)と密接に関わります。
これは、上顎にお未発育により上気道が狭窄しての上気道障害です。
上気道は呼吸、嗅覚、発声などの機能とともに、扁桃など生体防御システムに密接に関与しており、上気道障害の口呼吸が、扁桃肥大や鼻アレルギーの一因となるのです。
口呼吸による開口は、頭蓋の後方回転、頸椎は前方傾斜し、上下歯列、歯槽の舌側傾斜と上顎前歯のフレーアウトを促進させ、下顎は後下方へ回転して成長方向が変異します。この高頸部の形態変化は乳歯列から混合歯列期であっても睡眠時無呼吸症を発症してしまう傾向にあるのです。
これは、いつもココロビオティックセミナーでお話させていただいているDr.プライスの「食生活と身体の退化」に見る、顎歯列の問題に通じる症例でした。
ほとんど受け売りの記事ですが、
大きくうなずく事例でしたので、備忘録として書き留めておきたいと思います。
健康顎歯列育成法松見メソッド 歯並び 子ども 拡大床 香川 高松 抜かずに並べる 隙っ歯 子どもの歯 大人の歯 歯医者
http://www.nzherald.co.nz/lifestyle/news/article.cfm?c_id=6&objectid=10705004
ミクシィでも、ミツバチのメッセージの告知をありがとう~~~♪
世界中で、子どもたちの口腔内は大変な状態になっているんですね。
NZのこの子どもはまだ、乳歯列が隙っ歯でいい咬合なのに、もったいないですね。
食を気を付けていればとてもいい状態だったはずなのに・・・。
日曜日に陽子ちゃんご夫妻となんと偶然にお会いいたしました。
また、大阪あたりで、遊びたいですね~。
はるもそろそろだし。。。