を読む。アルトゥール・ショーペンハウアー著。岩波文庫。
内容は、「意志と表象としての世界」の簡略版だ。「知性は、意志を満足させるための道具に過ぎない」という主張が本筋だが、他にも興味深い言葉が多い。
「永遠は時間の反対語で、時間の流れの外にある」。「つねにそこにあるが、決して認識できない」。「どんなに時間が積み重なっても、永遠にはならない」。
ショーペンハウアーの「意志と表象」は、ニーチェの「ディオニュソス的なものとアポロン的なもの」、シュペングラーの「歴史(成るもの)と自然(成ったもの)」に対応している。また、ユングの「集合無意識」は、ショーペンハウアーの「ひとりひとりの人間は、たったひとつの意志が生み出した現象に過ぎない」という説にインスパイアされたもの、ではないだろうか。ニーチェの次に、ショーペンハウアーが来るかもにゃ。