神は、預言者サムエルを通してサウルに命じる。「 アマレク人を攻めて、女や乳飲み子も含めて一人残らず殺せ。彼らの家畜も生かしておかず、すべて神に捧げよ 」。
だが、サウルはやり損ねる。アマレク人の王を助け、家畜は兵士たちが略奪してしまう。この結果、神は怒り、サウルと息子たちは悲惨な最期を遂げる。
ちょっと前に、「 どうして人を殺してはいけないのか 」 と子供に聞かれたらどう答えるかが話題になった。だが、旧約聖書には、「 人を殺さないことが罪になる場合もある 」、と書いてある。
「 人を殺してはいけない 」 というのはあくまでも 「 日常原則 」 であり、その外側、いや、それ以前に 「 もうひとつの原則 」 がある。ユダヤ人や、旧約聖書の教えを重視するプロテスタントの人々 ( 主にアメリカ人 ) は、このことをよく知っている。