パウロの言葉の影響力。
「もし、あなたがたのだれかが、自分はこの世で知恵のある者だと考えているなら、本当に知恵のある者となるために愚かな者になりなさい。この世の知恵は、神の前では愚かなものだからです」(コリントの信徒への手紙3、18~19)。
これ、もしかしたらスティーヴ・ジョブズの「ステイ・フール」という言葉のオリジナルかも。神の教えだけが真理なのだから、神を信じることにかけてはバカになれ、という意味か。
「しかし、この食物は、信仰を持ち、真理を認識した人たちが感謝して食べるようにと、神がお造りになったものです。というのは、神がお造りになったものはすべて良いものであり、感謝して受けるならば、何一つ捨てるものはないからです」(テモテへの手紙一 4、3~4)。
パウロは食物について語っているのだが(豚も鯨も食べてOKということになる)、この言葉を拡大解釈したのが聖アウグスティヌスだ。「この世にあるものは、(食物に限らず)すべて善いものである」。「悪とは、善が不足した状態である」。
むしろ、「善とは、悪が不足した状態である」と言いたいが。