「西洋の没落」。第2巻第3章「アラビヤ文化の諸問題」まで読み終える。五月書房。
シュペングラーによると、ユダヤ人にとって国家とは、ユダヤ教徒の集まりそのものだ、という。つまり国家は土地と分離していて、世界中にあるユダヤ人のゲットーそれぞれが国家なのだ、という。これは、今となっては信じ難いことだ。イスラエルが「自分の土地」を確保するために、他のどの国家よりも数多く武力を行使しているのは周知の事実だ。
ユダヤ人だけではない。現代のイスラム原理主義の過激派が行う自爆テロ。これは、今目の前にある問題は自分たちで解決しなければならない、という「個人の意志」のあらわれだ。彼らは、過去及び未来の歴史はすべて神が決める、という「神の摂理」を信じていないのだ。
つまり、かつてのアラビヤ文化は死に絶え、ユダヤ教徒、イスラム教徒はすっかり西洋文化に染まってしまっている、ということになる。
それはそれとして。誤植が多い。203ページ上段16行目「仮設」→「仮説」、206ページ上段「神聖は文学」→「神聖な文学」、210ページ上段13行目「とり扱った」→「とり扱った。」、211ページ下段11行目「予告していた」→「予告していた。」、214ページ11行目「建てせしめ」→「建てさしめ」、214ページ下段18行目「ファウスト的宗教の内的歴史は、」→削除、218ページ下段16行目「それ」→「それは」、222ページ下段2行目「離れて」→「離れた」、17行目「見做する」→「見做す」、226ページ下段10行目「本質なかに」→「本質のなかに」、227ページ上段1行目「信ぜられていた。」→「信ぜられていた、」、7行目「本性と」→「本性を」、下段8行目「一つ宗教」→「一つの宗教」、228ページ下段25行目「聖な」→「聖なる」、229ページ上段3行目「わずか発展」→「わずかな発展」、8行目「熱情な」→「熱情的な」、231ページ下段9行目「ホメロスス」→「ホメロス」、232ページ上段15行目「転快な」→「軽快な」、234ページ上段20行目「記録が」→「記録が、」、234ページ下段9行目「知っているものを」→「知っているものと」、237ページ下段12行目「距たっている」→「距たっている。」、238ページ20行目「夜の精魔女」、「夜の精、魔女」、239ページ上段1行目「寵恩」→「恩寵」、15行目「表元関」→「表玄関」、下段14行目「悪魔と契約」→「悪魔との契約」、240ページ下段9行目「意味する」→「意味する。」、242ページ下段20行目「おこなわれる」→「おこなう」、243ページ上段7行目「二つ」→「二つが」、9行目「場処」→「場所」、下段の注「ゴート的キリスト教が」→「ゴート的キリスト教の」、244ページ下段の注「上方への揚ろう」→「上方へ揚ろう」、「苦んでいる」→「苦しんでいる」、245ページ下段14行目「ルネサスス」→「ルネサンス」、246ページ上段9行目「そうし、て」→「そうして、」、247ページ上段1行目「とい内う的な」→「という内的な」、下段23行目「固著している」→「固着している」、248ページ上段5行目「欠けていたもの、」→「欠けていたもの」、249ページ下段21行目「与えるである」→「与えるのである」、「要素でり」→「要素であり」、250ページ上段22行目「神秘主義」→「神秘主義、」、251ページ上段16行目「全体と」→「全体を」、253ページ下段15行目「ならなければならい」→「ならなければならない」、254ページ上段19行目「ゼウスについ」→「ゼウスについて」、255ページ下段8行目「アラメア」→「アラビヤ」、16行目「メディスト」→「メソディスト」、257ページ上段2行目「作業仮設」→「作業仮説」、259ページ上段4行目「宗教性に」→「宗教性に、」、下段1行目「添って」→「沿って」、261ページ上段23行目「教会は」→「教会の」、24行目「対象を」→「対象は」、265ページ上段21行目「 「 」→削除、265ページ下段16行目「十字軍のはじめ」→「十字軍をはじめ」、266ページ上段2行目「批判する」→「批判される」、下段21行目「かまわらない」→「かまわない」、267ページ上段21行目「憎しまれ」→「憎まれ」、268ページ下段23行目「踏め超えて」→「踏み超えて」、271ページ下段23行目「女は」→「女が」、272ページ下段22行目「位置」→「地位」、273ページ下段12行目「女系規」→「女系親」、278ページ上段4行目「経過する」→「経過する。」、279ページ上段8行目「一証」→「一章」、25行目「ライプチヒヒ」→「ライプチヒ」、289ページ上段14行目「なんか」→「なんらか」、下段6行目「ものであるが」→「ものがあるが」。