ユダヤ人のカルト集団化。
モーセに率いられてカナン地方に向かったユダヤ人は、その地の人々を見て、とてもかなわない、と嘆く。神は怒り、「 二十歳以上の者は、ヨシュアとカレブ以外、だれ一人カナンに入れない。お前たちは死体となって荒れ野に倒れる。お前たちの子供は、荒れ野で四十年間羊飼いとなり、お前たちの最後の一人が死ぬまで、お前たちの罪を負う 」、と宣告する ( 民数記14 )。
こうして、エジプトでの安楽な生活を知り、荒れ野で不平を鳴らす世代は死に絶えた。そして、幼いころからモーセの教えを聞いて育った世代になった。
つまり、カナン侵攻直前のユダヤ人は、モーセ ( 神 ) の命令に絶対服従するカルト集団と化していた。「 荒れ野の四十年 」 の後に、彼らがカナンの先住民を女子供も含めて虐殺することができたのは、このためだ ( ヨシュア記 )。
「 あなたの神、主が嗣業 ( 資産 ) として与えられる諸国の民に属する町々で息のある者は、一人も生かしておいてはならない 」( 申命記20、16 )。
この規定は、ナチスを含むさまざまな勢力が行ってきた民族浄化の、元型になっている。