リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

Dubut作曲?、Chiaccone イ短調(1)

2021年07月28日 15時18分47秒 | 音楽系
12月に横浜でオーボエの大山有里子さんとコンサート開く予定ですが、今回は通奏低音にバロック・リュートとニ短調調弦のテオルボを使う予定です。2台使うのは面倒なので、音量的に問題がなければバロック・リュート1台にするかもしれません。

大山さんとは一昨年に2回コンサートをご一緒させていただきましたが、東京で開催予定だった3回目はコロナ禍で中止となりました。東京の緊急事態宣言発出初日がそのコンサートの予定日でした。今年12月のコンサートはいわばその仕切り直しというものです。

コンサートでは通奏低音だけでなく、ソロも2曲演奏する予定です。そのうちのひとつが伝Dubut、Chiaccone a moll です。ドゥビューは Dubutとか du But という綴りですが、実際の人物像ははっきりしないようです。

エルンスト・ポールマンのラウテ・テオルベ・キタローネによると、ミレラン写本には3つのその名を伝えるものがあると書いてありますので、実際にミレラン写本を見てみましたがどうもそういうものは見当たりません。ポールマンの著書にはピエール・ドゥビューという「リュートの名人」がいて1666年以降グルノーブルに住んでいたと紹介されています。なんかはっきりしない人ですがフランスだけでなくドイツ語地域にも作品が伝わっているので有名な人だったのは間違いありません。