リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

楽譜の読み方、バーチャル楽器を頭の中に作る(1)

2023年01月09日 13時40分42秒 | 音楽系


この楽譜をご覧下さい。この音を例えばギターで弾くとするとどう弾きますか?
5弦の3フレットを親指か中指か人差し指で弾けばこの音がでますね。ただしギターでは楽譜に書かれている音より1オクターブ低い音が出ます。

リュートだと3コースの3フレットです。リュートの場合は実音です。

ここ何年かギターのアマチュアのアンサンブルの指導に行くことがあるのですが、そのときときどき耳にする言葉のひとつに「音とり」ということばがあります。文字通り楽譜から音をとるということのようですが、楽譜から音をとるのはあたりまえなので、どうしてわざわざそういう言い方をするのか、具体的にはどうするのか、気になっていました。そこで知り合いの別の愛好家の方に尋ねてみましたら、こういうことのようです。

楽譜を見てギターのどの弦、どのフレットで弾くべきかをひとつひとつの音符について確認していく。
音の長さを確認してリズムだけとってみる。
音が2つ以上重なっている箇所はそれぞれの音について確認していく。

うーむ、こういう楽譜の見方というか使い方は間違っていますねぇ。昔中学生に英語を教えていたときに、英語の「カラ読み」(漢字で書くと空読みです)と「漢文式読み」という読み方をしている生徒が結構いました。「カラ読み」というのは英語を黙読したり音読したりはするのですが、音に出しているだけで、意味は頭の中に入っていない読み方。「漢文式読み」は漢文のように右行ってまた戻ってというような読み方。音とり前の楽譜の読み方が「カラ読み」で、音とりは「漢文式読み」に似ていますね。