リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

楽譜の読み方、バーチャル楽器を頭の中に作る(5)

2023年01月13日 11時58分15秒 | 音楽系
バーチャル楽器というのはどういうものを頭のなかで再現すればいいのでしょうかというのは連載(3)で示しました。誰かが弾いている映像そのものイメージとか、自分から見たフレットと弦の全てのイメージなのか、そのいずれでもありません。

もう少し詳しく言うと、ことばではとても説明しにくいのですが、左手ポジションは押さえているところのみのイメージ、各指はそれぞれの指を使うという「指令」のみになります。そこに出しているであろう音を結びつけるのです。すでに書いたように決して、リュートの沢山の弦をイメージして、自分が押さえている指の形もイメージするようなものではありません。必要なものだけをイメージする感じで、例えるなら思いっきりデータを圧縮して必要な部分だけ残した映像という感じでしょうか。決してYou Tubeの映像のようなものではありません。

タブの音符が楽器のポジション、音と結びつくようになれば、初めて見たタブを楽器を持たないで曲をイメージし、そこで仕上げ、そこから暗譜をするというところまでできるようになります。タブの場合はそもそも楽譜に弦のどのフレットを押さえるのが書いてありますので、五線譜より一手間すくないので楽です。でも最終的なイメージや音は同じものです。