リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

バルトーク弦楽四重奏曲第3番

2023年01月16日 20時56分01秒 | 音楽系
新しく導入したDACでナクソス・ミュージック・ライブラリを聴いています。



バルトークの弦楽四重奏曲のいい演奏を見つけました。



ラガッツェ四重奏団のバルトーク弦楽四重奏アルバムです。ラガッツェという名前からすると女性の四重奏団のようですが、CDブックレット見ると果たして女性ばかりでした。この四重奏団の演奏で驚いたことは音程が正確無比でバルトークが意図したハーモニーがきっちりと表現されているところです。よく聴いているアルバン・ベルク四重奏団の演奏はなんかピントがよく合っていない感じのサウンドで気になっていましたが、この演奏を聴いてこの曲の真の姿を見た感じがします。

ナクソス・ミュージック・ライブラリで他の楽団の演奏を聴いてもどうも音程があぶなっかしいものばかりで、このラガッツェ四重奏団はとびっきりクリアです。この作品ではないのですが、バルトークが自作自演でがピアノ伴奏したヴァイオリン曲がナクソスにあるので聴いてみましたが、戦前のスタイルなのでヴァイオリン(ヨーゼフ・シゲティ)はあまり音程を大切にしている感じではありません。バルトーク自身も伴奏しながら、こんなもんだろうと思っていたかも知れません。ですから弦楽四重奏の当時の演奏についても、バルトーク自身は自分が書いたハーモニーを正確な音程で聴いていなかった可能性があります。それどころか現代に至るまでこの曲の真の姿に接することはあまりなかったのかもしれません。

人気の高い第4番とともにとても斬新なハーモニーのこの曲では、ハーモニーが理解しづらいので少々狂っていてもどっちみちわからん、というような感じだったかも知れません。ちなみに第4番はなぜかナクソスで聴けないので、iTunesで購入しました。これら2枚のアルバムで1番~6番まで全曲聴くことができます。

私が初めてバルトークの3番、4番を聴いたのは高校2年生のときで、レコード屋さんにたまたま45回転のLPアルバムがあったので買ってみたらそれがジュリアード・弦楽四重奏団によるバルトーク3番、4番でした。(笑)



聴いて見たらそれは衝撃的な音楽でした。柴田南雄氏による詳細な楽曲説明も詳細すぎてよくわからないものの読みふけっていました。それ以降はたまに聴く程度ですが、一応カーステレオのUSBアルバムにもちゃんと入っています。(アルバン・ベルク四重奏団の方です)早速ラガッツェの演奏も追加しました。