リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

楽譜の読み方、バーチャル楽器を頭の中に作る(3)

2023年01月11日 17時33分07秒 | 音楽系
バーチャル楽器とはこんなもの:

1)タブの文字、五線譜のオタマジャクシとその位置を見て、それを「絵」として認識します。

頭の中で「ド、レ、ミ」とか言ってはいけません。もちろん声にも出しません。タブの場合はタブのアルファベットや数字の文字を読んではいけません。五線譜であってもタブであっても同じことです。そもそも音が同時に(タテに)2つ以上書いてある場合、言葉で言いようがないです。

2)そしてその「絵」はリュートの押さえるべきところのイメージと直結させるようにします。楽譜を読み進めるとき、どの左手指がどの弦のどのフレットを押さえているかのイメージを作る。右手指もその音はどの指がどの弦を弾いているかも同時にイメージします。

3)さらにその出てくる音(単音、和音も含めて全て)が絶対音高でイメージできるようにする。


まずタブ上のひと文字について、

左手→どの弦のどのフレット+右手→左手で押さえている弦+出てくる音

のイメージを作ることです。ここがバーチャル楽器のスタートです。これを決して文字情報で覚えないことです。


例えば:

「3コースの3フレットで、右指は人差し指で、ドの音がでる」短縮しても「3コース3フレット人差し指ド」

なんて情報が多すぎて覚えられませんよね。バーチャル楽器なら覚えることはひとつです。


タブを読んでいく際はそれが始まりで、リズムサインに従って音の長さを判断し、タブには書かれていない声部の長さを判断していくことになります。

つまり楽譜を見て瞬時にかつ同時にこれらのことが出来るようになれば、読譜をしてバーチャル楽器で演奏できるようになったということです。

うーむ、そんな高度なことは不可能だーーって仰るあなた。何事もやってみないとわかりません。適切なステップを踏み根気よく練習を重ねたら、弾ける曲についてはバーチャル楽器でも弾けるようになります。リアルで弾けない曲はバーチャルでも弾けません。