櫛とかんざし

2007年03月27日 | 日々のこと
 先日ある方の秘蔵コレクションの一部を見せていただく機会に恵まれた。
「櫛とかんざし」である。数十点の櫛とかんざしは蒔絵に螺鈿細工にべっ甲そして珊瑚に銀とぜいを凝らしたものばかりである。

 一つひとつが職人の腕・・・今でいう作品なのである。べっ甲は虫が喰うのに痛んでもいない。だから保管にも気を使ったものだと思う。

 我が生家の土蔵にも何代前かの祖母使用のべっ甲のかんざしがあった。高校生になった頃、秘かに我がコレクションに加えたものであるが、ある時気がついたら我が娘は小学生にもならない内にコレクションにしてしまった。おかげでべっ甲のかんざしの細い細工は折れてしまった。

 一つひとつを眺めながら、これらの持主がこれを手にした時髪に挿した時どんな気持ちであっただろうかと心をはせた。庶民には高嶺の花だっただろうこれらの作品。文献が少なくてよく判らないと持主はいう。でも分散させたらもう2度と集まらないからとのこと。ほんとほんとそう思う

 時たま美術館等で幾つかは見ることができるけれども、これほど1度に見ちゃうと女心に火がつきそう。・・・うーんすばらしい。
日頃、自称着物と毛皮と宝石には手をださないいい女房なんだけど。私も贈られてみたいものだ。
                             美恵子
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