20年経った時と問われて・・・未来に夢を

2009年05月17日 | 家族
毎週末やってくる息子家族と夕食後、キッチンで片付けをしている私の傍らに息子がきた。「聞いてもらいたいんだけど・・・・」と。

 自動車の部品製造の会社に勤務する彼は、ご他聞に漏れず、この何ケ月かたっぷりとお休みをいただいていた。その間じっくりと考えた物らしい。

 「20年経ったとき、今製造しているものを作り続けられるか」ということらしい。化石燃料を使っている車の部品を作っていたら・・・・この先電気であったり、水素ガスに動いていくのは時間の問題だろう。

 「トップは十分考えているでしょう」と答えたけれど、内部事情を知るのは息子だ。

 今日お田植えの後、大型機械で植えていただいたおじさんを囲んでお茶を飲みながら、昔の田植え風景になった。80代の父と私の原風景はそうはかわらない。
 それが、東京オリンピック後の高度成長期から、機械化になりその風景は、加速的に変化した。「そうそう、その頃魔法瓶が出てきて、田んぼでお湯を沸かさなくてもよくなってねぇ」と私が付け加えた。

 息子は「信じられねぇー」とその原風景をおもしろそうに聞いていた。

 企業の寿命30年説という言葉が、何十年も前に聞かれた。今はそのスピードが速まっている。企業は分割の時代と統合や合併さらにM&Aなど、時代の流れの中で中身を変えて生き残る努力をしている。お田植え風景ひとつとったってこの変りようではないか。

 確かに製造業は設備投資が大きいので、その中身を簡単には変えられないけれど、今日あるものが、次の日突然ということはない。それには必ず、社会の求めうるものという前兆があるはずである。

 20年たって、自分たちが会社を引っ張っていかなくてはならない時・・・・と彼は言った。・・・・それを聞きながら私は内心ほくそ笑んだ。

 30代に突入した彼が、会社の未来を考える積極的な気持ちを発言したことにだった。「いいんじゃあない、同期のみんなでよく話してみたら」と。

 会社に支えてもらっているのではなく、会社を支えようという意識の違い。今回の長い休みは、彼らにとって大いに勉強になったに違いない。そんな若い力は会社の宝だ。

 同期が子供の生まれたお祝いに招待してくれるという。4つのファミリーが集うという。家族ぐるみのお付き合いが出来るような同僚がいる。きっと20年経った時をテーマに語り合うだろう。

 20年経ったとき・・・・そう言われた時、初めて20年後の自分を描いてしまった。働き続けて、ようやくに退職という言葉が聞かれる年代にとって、20年後・40年後の現役の世代のことをどこまで考えてやっていたのだろう。

 おりしも、サンデープロジェクトの中で「日本の未来をどのようにしていくつもりか」というような質問が野党からされているのを、車の中で聞いた。
 まさしくその通りなのかもしれない。

「未来に夢を」持てるような世の中なのか、価値観なのか、どちらにしても私たち年代が残さなければならないことに違いない。
依田 美恵子

    軽井沢・佐久で建てる外断熱・省エネ住宅 中島木材の家


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