市川英彦先生のお話から・・・高齢期を生きいきと。

2010年11月06日 | 読書
鹿教湯三才山リハビリテーションセンター鹿教湯病院の名誉院長の市川英彦先生のご講演をお聞きしながら、なかなかそれをアップできないままに、日が過ぎてしまった。

 内容を正確にお伝えできるか心配だけど、やっぱり記録に残したい思いが強い。

 先生は佐久総合病院にずっとお勤め・・・学生時代からこられていたという。
農村医療の若月俊一先生の理念に惹かれてではなかろうかとお話を伺っていて強く印象付けられた。

 佐久総合病院時代も内科医として、先生を信頼し慕う患者で長者の列であった。
実家の父もその一人であったから、幾度かおめにかかったことがあったが、今回20年ぶりぐらいにお会いして・・・・こんなにユーモア溢れる方であったかと、思いがけない発見をしたのである。

 高齢期を生きいきと---積極的な社会参加こそ----

 お話は今年の秋に話題となった、100歳以上のお年寄りの所在不明のお話から始まりました。これが90歳以上で調査したら・・・・と。戸籍制度、住民登録制度の限界や欠陥だけではなく、問題の本質はもっと別のところにあるのではないかと。

 昭和38年に制定された老人福祉法には、「老人は、多年にわたり社会の進展に寄与してきた者として、かつ、豊富な知識と経験を有する者として敬愛されるとともに、生きがいを持てる健全で安らかな生活を保障されるものとする」とあります。

 しかし高度成長時代以降の経済最優先社会の中では、高齢者は「敬愛」される存在ではなく、忌避され、無視される存在となってきたのではないでしょうか。

 こうした経済最優先社会が影響して、地域社会のみならず、家族の中でも居場所を失う高齢者が増えているのです。

 先生の看られた患者さんのエピソードから、高齢者の実態をお話いただきました。
『ここ何十年、高齢者はかなり優遇されていると感じていたのは、私だけだったのでしょうか・・・・私も経済最優先の一人であったのかと・・・・。依田の感想』

 先生のお話の患者さんから見た時代とは。
 ① 所得倍増、列島改造、農業の国から工業の国への大転換
 ② ふる里の喪失、農業・農村の疲弊、自然破壊
 ③ 価値観の変化、経済最優先、金こそすべて
 ④ 人間関係の変化、助け合い支え合う関係から利害打算の関係へ、人間らしさの喪失
 ⑤ 核家族化、過疎化、近隣の助け合う力の低下、高齢者の孤立化、高齢世帯の急増
 ⑥ 社会保障制度の大後退・・・・1983年福祉国家の旗を下げた。老人医療費無料制度の廃止、公的責任より自己責任の強調、公的扶助から相互扶助へ、成人病から生活習慣病へ、公的介護保険から介護保険へ、競争社会の徹底・・・・価値をきめるのは市場原理という時代
 ⑦ 格差社会の進行、ワーキングプア、不安定雇用、失業、高齢者の生活困窮、介護保険の不備
 ⑧ 高齢者の所在不明、孤独死
 
 以上をお聞きしして頭を「ガーン」と叩かれたくらいの衝撃があったことは事実。
いいままで生きてきた人生がここに集約されていると思えたのだった。

 得た物と失った物・・・・・。

長くなりましたので、しめはあらためて。

  依田美恵子
軽井沢・佐久で建てる外断熱・省エネ住宅 中島木材の家


【 中島木材のホームページは こちら


ポチットお願い!にほんブログ村 住まいブログへ
にほんブログ村 住まいブログ
ブログランキング・にほんブログ<br>
<br>
<br>
<br>

</div>
</div>
<!-- /entry-body -->

  <!-- entry-bottom -->
  <div class=
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする