院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

激辛料理

2013-03-15 00:30:21 | 食べ物
 1980年代に激辛ブームというのがあった。極端に辛いカレーや唐辛子を一面にまぶした煎餅などが売り出された。かなりの人が激辛料理に「挑戦」した。それは食べることを楽しむというより、「挑戦」という感じだった。罰ゲームというかマゾヒズムというか、とにかく自虐的だった。

 それらの食品は私にはとても食べられないほど辛かった。激辛ブームの導きがあって、それまでマイナーだった辛い韓国料理や四川料理が、その後すんなり受け入れられたように思われる。

 四川料理を筆頭として、インド料理、タイ料理も辛いそうである。四川料理の麻婆豆腐や担担麺は辛くて私には食べられない。

 これらの料理がなぜ辛いのか、たいていその料理が発達した地域の気候に帰せられる。盆地で高温多湿だからなぞといわれる。でも、それだったらハンガリー料理が辛いことの説明がつかない。

 私が思うに、辛い料理は辛さで素材がおいしくないことをごまかしているのではないか?辛い料理は辛さで味が分からなくなる。別の料理が出ても、辛さのために区別がつきにくい。区別がつくとしたら、それは香辛料の違いである。

 これらの辛い料理を、動物は食べることができるだろうか?実験してみたら面白い。私はたぶん動物は食べられないだろうと思う。

 動物が辛くて食べられないものを人間が食べられるのは、その辛さに文化依存性があるからである。文化はしばしば本能を凌駕する。