院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

国旗の掲揚

2013-03-18 05:00:41 | 生活
 官公庁が国民の祝日には日の丸を掲揚していることに気付いている人は多いだろう。

 私の祖父(明治生まれ)の時代には、官公庁のみならず各家庭が家々に日の丸を掲揚していた。それは、ごく当たり前の風景だった。

 父(大正生まれ)の時代になると、日の丸を掲揚しなくなった。隣近所が掲揚していないのに、自分の家だけ掲揚するのは憚られた。

 日の丸君が代問題がやかましく言われたころで、そんな中、あえて日の丸を掲揚すると、主義主張があるように思われるのが嫌だったのだろう。

 こうして、家々は日の丸を掲揚しなくなった。それに拍車をかけたのが、集合住宅の繁栄である。マンションには日の丸を掲揚するべき門がない。

 日の丸を掲揚しなくなっても、一戸建ての家にはまだ鯉のぼりなら揚げる家があった。今でも地方では鯉のぼりが揚げられている。

 だが、名古屋ではやがて鯉のぼりも揚げられなくなった。それは、鯉のぼりが流行遅れということではなく、若い夫婦が一戸建てに住めなくなり、一戸建ての家には老夫婦だけが住むようになって、子どもがいなくなったからである。次は当時の私の俳句である。

   この町につひに幟を見なくなる  昭和63年ころの拙句

 幟(のぼり)とは俳句では鯉のぼりのことを指す。

 今、日の丸を見ることができるのは、外国の要人が来日したときに日本の児童が振る小旗くらいになってしまった。(あるいは右翼の街宣車の車体に描いてある。変に日の丸を掲げると右翼と間違えられる可能性がある。)

 かなりのイタリアレストランがイタリア国旗を店頭に掲げている。海外の日本食レストランは日の丸を掲げているだろうか?

 各家庭で日の丸を持っている人がどれだけいるだろうか?私は日の丸を持っていない。デパートなら日の丸は風呂敷売り場にあると聞いたが、そもそも現在、風呂敷売り場という売り場があるのだろうか?