院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

デング熱の発生に寄せて

2014-09-04 00:00:17 | 医療

情報処理推進機構のHPより引用。)

 一般の方々にはあまり知られていないことですが、流行期でないときにインフルエンザの診断を下すのは至難なのです。とうぜんデング熱の診断はもっと難しい。

 デング熱の感染者は40名を超えたそうですが、一番最初にデング熱を診断した医者は、どうしてデング熱を疑ったのでしょうか?常識的には疑うことはありえません。一番最初の医者は大したものです。マスコミがその医者を紹介しないのはなぜでしょうか?

 ウイルス疾患は抗原抗体反応を調べれば、容易にウイルスが特定できます。ですから、二番目以降の医者は診断が格段にやさしくなるので、大したことはありません。

 デング熱はインフルエンザ程度の重症度です。これから秋が深まると蚊は活動できなくなりますから、もう感染の心配はありません。それにしては、マスコミはまるでエボラ出血熱が日本に入ってきたような報道ぶりです。

 私が考えるに、これまでもデング熱はそれと分からず日本で何度も発生していたはずです。しかし診断がつかず、悪性の風邪くらいに片づけられていたのだと思われます。1億2千万人のうちの40余名だけで死病でもありませんから、通常ならマスコミが取り上げる問題ではありません。これだけ報道されるのは確定診断されたことが珍しいからです。

 だから、私がマスコミにお願いしたいことは、デング熱の防ぎ方を力説するのではなく、デング熱をこの平成の日本に見つけてしまった医者がいることを強調してほしいのです。