Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

稽古かレッスンか?

2010年04月17日 | 家・わたくしごと
 夕食を食べながら息子が「明日はテニスのレッスンはないんだ」と話してくれた。息子は週何度か近所のテニススクールに通っているのである。
 「テニスはレッスンって言うの?」と私は息子に聞きなおした。息子は変な顔して「そうだよ。先生に習うのはレッスンだよ。」と教えてくれた。何でぼくがそんなことを聞いたかといえば、「レッスン」という言葉に最近は敏感になっているのである。
 先週、学生の一人が「三線のレッスン」という言葉を私に使ったために、ぼくは学生にこうたしなめたのだ。「日本の楽器にレッスンはしっくりこないな。やはり稽古という言葉を使うべきだ。」
 芸術大学は基本的には「欧米」に満ちている。だいたい多くの学生は「洋楽」を学んでいるわけで、「稽古」なんて古臭い言葉は使わない。ピアノや声楽は「レッスン」というのが常識で、これから声楽のお稽古がある、なんていうとたぶん「お前、頭おかしいんじゃないの?」と思われるだろう。洋楽の場合の「稽古」とは、「武芸や諸芸を習う」という意よりもむしろ、「習ったものを練習する」という意で使われることが多い。レッスンでは「家ではしっかりお稽古しなくちゃいけない」などという表現で、「稽古」という言葉は使われるのである。
 しかし、個人的には和楽器(沖縄の楽器も含めて)にレッスンはそぐわない。やはり「稽古」こそがふさわしいのではないか。芸術大学の学生達よ。君達は日本人なんだ。せめて使い分けをすべきである。しかし洋楽の世界では、「稽古」を「レッスン」と表現する割には、「クラス」を「門下」と読み替えるあたりが怪しい。
 話は戻るが、テニスは一応ヨーロッパ発祥のスポーツだし、「レッスン」で良しということにしようか。