『在宅ホスピスのススメ』-看取りの場を通したコミュニティの再生へ- ニノ坂保喜/監修 木星社
九州を拠点に、在宅ケア/在宅ホスピスに取り組んでいる医師等で書かれた書物。「在宅ホスピスに関するHOW TOもの」は最近よく見かけるようになり、本書もその一つにとどまるかと思っていたが、ホスピスの歴史から実際に活用できるアセスメント方法まで、幅広く丁寧に解説している。
特に、自宅で看取ることは、地域の資源なしでは実現ができないため、いかにして地域にその理念を浸透させ、そして資源を作り上げていくか…に取り組まれている姿勢が、単に「医療サービス」を提供することにとどまらないと、感銘を受けた。
しかし連携に関する記述はどの章においても、「医師、看護師、ケアマネージャーなど」にとどまっており、ソーシャルワーカーの存在が感じられなかったのが残念だ。
引用「終末期ということを、がんの終末期を代表するきわめて医学的なイベントとして捉えずに、誰もが経験する人生の中でも最も価値のある有意義な時間と捉え、その生命の質をコミュニティの中で大事に育むケアを創造していく必要がある」
ともすると、「在宅ホスピス/在宅緩和ケア」は、非常に特化された由々しきもの…と考えられがちだが、50年くらい前は自宅で最期を迎えるのが「あたり前」で、医学的なイベントではなく、その人の集大成を皆で見守るというものであっただろう。
医療技術が進歩し、社会構造も変化し、家族形態も変化し…そのようななかで、「自宅での看取り」再来である。かつての知恵をどのようにとらえ、そして新しい風をどのように馴染ませていくのか…。10年後の日本の「終末期」はどのようなものか?
「ホスピス」や「在宅での死」という言葉が死語となり、そしてソーシャルワーカーの位置づけも明確になっていることを期待する。
九州を拠点に、在宅ケア/在宅ホスピスに取り組んでいる医師等で書かれた書物。「在宅ホスピスに関するHOW TOもの」は最近よく見かけるようになり、本書もその一つにとどまるかと思っていたが、ホスピスの歴史から実際に活用できるアセスメント方法まで、幅広く丁寧に解説している。
特に、自宅で看取ることは、地域の資源なしでは実現ができないため、いかにして地域にその理念を浸透させ、そして資源を作り上げていくか…に取り組まれている姿勢が、単に「医療サービス」を提供することにとどまらないと、感銘を受けた。
しかし連携に関する記述はどの章においても、「医師、看護師、ケアマネージャーなど」にとどまっており、ソーシャルワーカーの存在が感じられなかったのが残念だ。
引用「終末期ということを、がんの終末期を代表するきわめて医学的なイベントとして捉えずに、誰もが経験する人生の中でも最も価値のある有意義な時間と捉え、その生命の質をコミュニティの中で大事に育むケアを創造していく必要がある」
ともすると、「在宅ホスピス/在宅緩和ケア」は、非常に特化された由々しきもの…と考えられがちだが、50年くらい前は自宅で最期を迎えるのが「あたり前」で、医学的なイベントではなく、その人の集大成を皆で見守るというものであっただろう。
医療技術が進歩し、社会構造も変化し、家族形態も変化し…そのようななかで、「自宅での看取り」再来である。かつての知恵をどのようにとらえ、そして新しい風をどのように馴染ませていくのか…。10年後の日本の「終末期」はどのようなものか?
「ホスピス」や「在宅での死」という言葉が死語となり、そしてソーシャルワーカーの位置づけも明確になっていることを期待する。