『ケアの社会倫理学』有斐閣選書 収録
「なに?!」と思わされるタイトルで、思わず読み入ってしまった。
介護がより理論的に、そして体系的に…と整備されていることについて、斜めからの視点で、持論を投げかけている。
介護職を増やして手厚い介護を。そして施設の個室化を進めて、個人の尊重を。といった、当たり前に進められている改革を、「本当にそれでよいのか?」「その策の根拠は?」「その策で間違っていないか?」と、意見を投じている。
引用
利用者の正面に座り、目と目を合わせて会話をすること(専門教育を受けた人はこれをよくやるそうだ)。一方で、横に並んで腰かけるということについて、意見を投じている⇒「並んで座ると同じ景色を見ることになる。(中略)並んで座っていると言葉がいらない。一緒にいるという感覚が最初からあるのだ。向き合っているとそうはいかない。何か言葉が必要になる。(中略)向き合っていると二人だけの閉じた世界になるのに対し、並んでいると、世界に二人がいるという感じなのだ」
「介護は介護力ではなくて介護関係である。その基本と最後は母子関係に代表されるエロス的関係である。」
エロス…明鏡国語辞典によると「プラトン哲学で、美と善の理想を求める、純粋に精神的な愛。」という意味だそうだ。
本書で著者が言うところの「エロス化」が何を指すのか、少し分かりにくかったが、専門的知識や、専門職としての技術うんぬんの前に、「人間同士としての関係/愛」を、もっともっと意識していくことが大切!!というかな…と解釈した。
エロスの一つに、客観的な視点を無視し、わが子が一番かわいいと言う母親(母性)があるらしい。それよりも「産んでしまったものは仕方がない」と良い意味での「諦め」が根底にあるような…愛だけじゃ、母性も疲れるよ…と少し思ってしまった
「なに?!」と思わされるタイトルで、思わず読み入ってしまった。
介護がより理論的に、そして体系的に…と整備されていることについて、斜めからの視点で、持論を投げかけている。
介護職を増やして手厚い介護を。そして施設の個室化を進めて、個人の尊重を。といった、当たり前に進められている改革を、「本当にそれでよいのか?」「その策の根拠は?」「その策で間違っていないか?」と、意見を投じている。
引用
利用者の正面に座り、目と目を合わせて会話をすること(専門教育を受けた人はこれをよくやるそうだ)。一方で、横に並んで腰かけるということについて、意見を投じている⇒「並んで座ると同じ景色を見ることになる。(中略)並んで座っていると言葉がいらない。一緒にいるという感覚が最初からあるのだ。向き合っているとそうはいかない。何か言葉が必要になる。(中略)向き合っていると二人だけの閉じた世界になるのに対し、並んでいると、世界に二人がいるという感じなのだ」
「介護は介護力ではなくて介護関係である。その基本と最後は母子関係に代表されるエロス的関係である。」
エロス…明鏡国語辞典によると「プラトン哲学で、美と善の理想を求める、純粋に精神的な愛。」という意味だそうだ。
本書で著者が言うところの「エロス化」が何を指すのか、少し分かりにくかったが、専門的知識や、専門職としての技術うんぬんの前に、「人間同士としての関係/愛」を、もっともっと意識していくことが大切!!というかな…と解釈した。
エロスの一つに、客観的な視点を無視し、わが子が一番かわいいと言う母親(母性)があるらしい。それよりも「産んでしまったものは仕方がない」と良い意味での「諦め」が根底にあるような…愛だけじゃ、母性も疲れるよ…と少し思ってしまった