社会福祉士×ちょっと図書館司書の関心ごと~参考文献覚え書き

対人援助の実践、人材育成、図書館学を中心に気まぐれに書物をあさり、覚え書きをかねて投稿中~

「権利擁護で暮らしを支える 地域をつないだネットワーク」

2009-10-07 15:05:05 | 社会福祉学
PASネット・編 ミネルヴァ書房(2009)

成年後見制度の実践を中心とした権利擁護事業を展開しているNPOの活動記録。
単なる実践報告にとどまらず、「権利擁護」という切り口から地域生活をどのように支援していくか。また、そもそも「支援」とは何か?を言及し、とても刺激的であった。

引用
・失敗を避けることが大切なのではなく、失敗を確認していきAさん(文中では固有名詞)に分かってもらえるようにするのが、本当の支援
・権利擁護におけ財産銭管理は、ご本人の「自分らしい暮らし」を支えるという基本的な役割における方法のひとつである


社会福祉士のみならず、法律の専門家、障がいを持つ当事者が支援者となり、その人の呼吸にあわせた支援を展開している様子がとてもよく分かった。
そこまで寄り添えるチカラを素直に「すごい」と感じ、そしてそれこそが「対人援助」なのだと実感した。

私は実践をしていた際に、「予測を踏まえた援助」をしていた。平たくいうと「同じようなケースをこれまでにも見てきたから、この類の問題を抱えたケースは、この先はきっとこうなるハズだ。だから、早めに手をうっておこう」というものだ。
多くのケースを抱え、そのなかでいかにリスクを回避するか…それは大きく間違っていた行為ではないと思う。がしかし、あくまでも支援者側の都合によってたてられた「予測に基づいたリスク管理」であって、利用者の呼吸に合わせたものではなかったと痛感させられた。


コメント
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