『財団法人 笹川医学医療研究財団 平成16年度研究助成 報告書』
在宅ケア開始期・小康期・臨死期・死別後に家族と専門職が共有可能なクリニカルパスを開発することを目的としている。
アセスメント項目の妥当性を検討するため、ガン高齢者、徐々に衰退した高齢者の2タイプの事例を用いて抽出作業を行い、ケア提供者側、家族側が必要とする項目についての調査を実施している。
・がん高齢者の経過時期に関わらずニーズ、ケア実施、アウトカムともに低かったのは、「やり残していることを実施できるようにする」である。
・死別後のケアについて、全回答を通して、「死別後のケアは十分ではない」という見解が示された。
・経過表(クリニカルパス)を本人に示したいか?⇒「利用者本人には示さずに家族が利用することに限定したほうがよい」という結論に達した。
家族とケア提供者が共有できる…ということが目的であるため、「本人の存在はどうなるのか?」と問いは愚問なのかもしれないが、終始、その疑問は消えなかった。
本人に対して「ケアが提供されたか?」を判断しているのは、家族であり、本人そのものではない。これに関連して、上記で紹介した「やり残したことを実施できるようにする」についてのニーズが低かった、というのは十分に納得ができない。もともと、「いつ天に召されても悔いはない」という状態であったのか、それとも家族から見た判断に過ぎないのか…このあたりの言及を深める必要があるだろう。
米国では、本人と家族は別の人格であり、別のニーズがあり、別の意志があるとはっきりと示されている。家族がホスピスケアを受けさせたいと思っても、本人が拒否すればその意思が優先される。
文化の違いだからと一喝するのは簡単だが、学ぶべき要素もあると感じる。
在宅ケア開始期・小康期・臨死期・死別後に家族と専門職が共有可能なクリニカルパスを開発することを目的としている。
アセスメント項目の妥当性を検討するため、ガン高齢者、徐々に衰退した高齢者の2タイプの事例を用いて抽出作業を行い、ケア提供者側、家族側が必要とする項目についての調査を実施している。
・がん高齢者の経過時期に関わらずニーズ、ケア実施、アウトカムともに低かったのは、「やり残していることを実施できるようにする」である。
・死別後のケアについて、全回答を通して、「死別後のケアは十分ではない」という見解が示された。
・経過表(クリニカルパス)を本人に示したいか?⇒「利用者本人には示さずに家族が利用することに限定したほうがよい」という結論に達した。
家族とケア提供者が共有できる…ということが目的であるため、「本人の存在はどうなるのか?」と問いは愚問なのかもしれないが、終始、その疑問は消えなかった。
本人に対して「ケアが提供されたか?」を判断しているのは、家族であり、本人そのものではない。これに関連して、上記で紹介した「やり残したことを実施できるようにする」についてのニーズが低かった、というのは十分に納得ができない。もともと、「いつ天に召されても悔いはない」という状態であったのか、それとも家族から見た判断に過ぎないのか…このあたりの言及を深める必要があるだろう。
米国では、本人と家族は別の人格であり、別のニーズがあり、別の意志があるとはっきりと示されている。家族がホスピスケアを受けさせたいと思っても、本人が拒否すればその意思が優先される。
文化の違いだからと一喝するのは簡単だが、学ぶべき要素もあると感じる。