社会福祉士×ちょっと図書館司書の関心ごと~参考文献覚え書き

対人援助の実践、人材育成、図書館学を中心に気まぐれに書物をあさり、覚え書きをかねて投稿中~

「アメリカとイギリスのグリーフケアと死生学の実際-日本への導入にあたって感じたこと-」宮林幸江

2010-11-19 20:20:24 | 看護学
『社会福祉研究』第106号 2009.10

 アメリカとイギリスにおけるグリーフケアと死生学について概観している。自身が参加した研修会等の報告を踏まえた論述であり、具体的な研修プログラムを知ることはできるが、学問的な背景を知るという面では、少し物足りない印象を受けた。

引用
・アメリカにおいて
⇒病院・ホスピスの治療対象者には、死別後のアフターケアが用意されていることが説明される。死亡後7日以内に、病院側から電話もしくは訪問により遺族にグリーフケアのオファーがなされる。
⇒全グリーフケアの5~10%はドネーション(寄付)によって賄われている。

・イギリスにおいて
⇒イギリス全土をカバーする遺族ケア組織が存在する。この組織の設立目的は、①無料で情報、アドバイス、カウンセリング援助を意死別遺族に提供する、②死別遺族を支援する人や組織に対する援助や情報の提供、トレーニングの機会の提供とその組織についてお知らせをする、③死別者により関心を寄せるように、キャンペーンや情報サービスを行う、④訓練されたボランティアを利用したいという遺族に紹介する。


法律によって、もしくは宗教的な背景があって、両国ではグリーフケアが充実している。そしてまた、きちんとした組織によって、グリーフケア従事者の教育プログラムが用意されていることも、その普及の要因であろう。
財政的に、組織的に、継続的に…多くの側面で、日本は学ぶべき点があると痛感した。



コメント
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