グリーフを『大きな喪失体験により、身体、感情、認知、精神、行動面に影響をきたし、そのことで一身上にあらわれるあらゆる「反応」』と定義。
臨床家、研究者、そして一般人への啓蒙書(実践書)として書かれている。
訳者がグリーフケアに精通している方のせいか、訳書特有の「読みにくさ」や「変な日本語の表現」がない。
ニーメヤーを知るための入門書として購入したが、それ以外の研究者についても広く紹介されており、とても読みやすかった。
ニーメヤーは、伝統的なグリーフ理論(段階理論)を批判し、「意味再構築」の立場からあらたな理論を提言している。
引用
構成主義に基づく新しい理論の特徴
①グリーフ体験者それぞれの反応の違いや、ちょっとしたニュアンスの違いを見逃さない
②人間は、自分の現象世界を構築する者であり、文化、ジェンダー、精神性について、他者と幅広くかかわりながら自分の立場を決定していると考える
(グリーフ行為を一つの尺度では比較できないと主張)
③大きな喪失は常にふいにやってくるものだとしても、グリーフ行為自体は能動的な過程であるという信念
④グリーフは私的なものには違いないが、周囲の人の反応にも必然的に影響を受け、その相手によってグリーフは抑制されたり肯定されたりする
今現在、日本の医療機関や研究所、そして企業等がプログラム化しているグリーフケアの理念は、おそらくこのあたりのものを参考にしているのだと思う。
グリーフ反応を受身的にとらえ、静かに時を待つのではなく、自らが取り組み、喪失以前の現象世界を構築し直すという過程を経るものだという主張。まさに「あなたの人生の主役はアナタである」というナラティブの精神が行き渡っている。
その取り組みを支援者はどのように行うか。ひとつ間違えると、「病的」と烙印を押しかねない。やはりグリーフケアは奥が深く、難しい…
臨床家、研究者、そして一般人への啓蒙書(実践書)として書かれている。
訳者がグリーフケアに精通している方のせいか、訳書特有の「読みにくさ」や「変な日本語の表現」がない。
ニーメヤーを知るための入門書として購入したが、それ以外の研究者についても広く紹介されており、とても読みやすかった。
ニーメヤーは、伝統的なグリーフ理論(段階理論)を批判し、「意味再構築」の立場からあらたな理論を提言している。
引用
構成主義に基づく新しい理論の特徴
①グリーフ体験者それぞれの反応の違いや、ちょっとしたニュアンスの違いを見逃さない
②人間は、自分の現象世界を構築する者であり、文化、ジェンダー、精神性について、他者と幅広くかかわりながら自分の立場を決定していると考える
(グリーフ行為を一つの尺度では比較できないと主張)
③大きな喪失は常にふいにやってくるものだとしても、グリーフ行為自体は能動的な過程であるという信念
④グリーフは私的なものには違いないが、周囲の人の反応にも必然的に影響を受け、その相手によってグリーフは抑制されたり肯定されたりする
今現在、日本の医療機関や研究所、そして企業等がプログラム化しているグリーフケアの理念は、おそらくこのあたりのものを参考にしているのだと思う。
グリーフ反応を受身的にとらえ、静かに時を待つのではなく、自らが取り組み、喪失以前の現象世界を構築し直すという過程を経るものだという主張。まさに「あなたの人生の主役はアナタである」というナラティブの精神が行き渡っている。
その取り組みを支援者はどのように行うか。ひとつ間違えると、「病的」と烙印を押しかねない。やはりグリーフケアは奥が深く、難しい…
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