社会福祉士×ちょっと図書館司書の関心ごと~参考文献覚え書き

対人援助の実践、人材育成、図書館学を中心に気まぐれに書物をあさり、覚え書きをかねて投稿中~

「バトンタッチ方式で行った福祉避難所の災害支援活動の報告」山田美代子

2012-04-16 20:43:48 | 社会福祉学
『医療と福祉』No.91 Vol.45-2

東日本大震災後に、宮城県石巻市に置かれた福祉避難所でのソーシャルワーク援助の報告。
多くのソーシャルワーカーがバトンタッチで役割を果たした記録であり、災害支援におけるソーシャルワークのあり方をも示している。

引用
・ソーシャルワーカーは、災害に学び、前に進まねばならない。なぜならば、ソーシャルワーカーには、人の尊厳の尊重と社会正義を拠り所とした社会的機能があり、その役割を果たさねばならないからだ。
・福祉避難所の医療ソーシャルワーカーの業務
 ⇒1.入所者のインテーク面接
  2.個別ニーズに対するケースワーク
  3.対処を含めた今後の生活再建に対する支援
  4.各種災害救助法上の手続き支援
  5.災害に特化したグリーフワーク的支援
  6.福祉避難所の運営への参画
  7.ケースカンファレンス訪問
  8.地域連携
  9.その他
・ソーシャルワーカーが行うグリーフケアは、クライエントが社会関係の中で具体的な課題取り組みができるようにさまざまなきっかけ作りを支援することである


被災地では、今もなお、様々な専門職が支援を継続している。ソーシャルワーカーもその一職種であるが、医師や看護師、保健師などと比べ、認知度は低く、活動実態も紹介される頻度が少ない。
この論文を読み、継続的にそして具体的に(…表現が稚拙だが)支援を展開していることに驚き、そして同じ職種であることを誇りに思った。

今後も支援は続けられる。ありきたりの言葉であるが、他職種と協働し、多くの被災者に向きあう姿勢は、今後の災害支援、災害時ソーシャルワークに必ず活かされると思う。

東日本大震災被災者数:死者15,856人、行方不明者3,070人(4月11日現在) 避難・転居者344,477人(4月5日現在)

コメント
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