社会福祉士×ちょっと図書館司書の関心ごと~参考文献覚え書き

対人援助の実践、人材育成、図書館学を中心に気まぐれに書物をあさり、覚え書きをかねて投稿中~

「お葬式 死と慰霊の日本史」 新谷尚紀(2009)

2013-06-14 13:43:26 | 民俗学
死にまつわる儀式について、民俗学からアプローチしている。
時代、地域…それぞれの違い、それぞれの特徴を紹介している。全てを読みこなすには専門的な知識を要するが、関心のある箇所だけ読む、という読み方もできる。

引用
・伝統的な葬儀というのは、遺体と死の穢れと死者の荒ぶる霊、そこには魔物もやってくる(中略)というふうに恐れられていた。
・土葬から火葬へ、近隣の相互扶助から葬儀社の参画へという変化
 ⇒長野県松本市…昭和53年が大きな転換期 福井県三方郡…昭和60年 島根県能義郡…昭和44年が初めての火葬 香川県…昭和44年


土葬は最近まで行われていたことに、驚いた。
他の文献ではあるが、現在の火葬率は100%ではなく99.97%であり、土葬専用の墓地も存在していると紹介していた。

この土葬は湯灌の実施に大きな影響を与えていたであろうし、この時代の湯灌と現在行なっている湯灌とでは意味は違うであろうと感じた。
親族によってとり行われていた昔の湯灌、死の持つ意味を確認したいという意味でも行われている現在の湯灌。
両者の実態をもう少し知りたいと思う。

お葬式―死と慰霊の日本史
クリエーター情報なし
吉川弘文館
コメント
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