社会福祉士×ちょっと図書館司書の関心ごと~参考文献覚え書き

対人援助の実践、人材育成、図書館学を中心に気まぐれに書物をあさり、覚え書きをかねて投稿中~

「特別養護老人ホームの生活相談員が行うソーシャルワーク実践の構造に関する検討」上田正太、竹本与志人、岡田進一、白澤政和(2012)

2018-05-28 17:09:53 | 社会福祉学
『ソーシャルワーク学会誌』第24号 2012

ケアワークと混同されがちな相談員業務について、独自業務はどのようなものかをソーシャルワーク実践に焦点をあてて研究をしている。

引用
・相談員ソーシャルワーク実践を上位概念に、苦情処等相談対応実践、入所入院対応実践、計画評価実践、連携調整実践、施設運営実践に渡る幅広い実践の状況を確認した。
・(介護職員が用いるソーシャルワーク的支援と比較し)相談員における「苦情等相談対応実践」は利用者(people)、「施設運営実践」は特養(system)そのものの問題解決を直接的に図ることを目的とした実践である。(中略)特養そのものの生活の場としての価値を高めるべき職員指導や地域等の施設内外資源強化といった対応が、相談員の重要な役割となる。「介護が主でソーシャルワークは縦」(←先行研究からの引用)である具体的援助が業務の主体となる介護職員が行う実践とは、内容的に異なるものと言える。



 現在、特養で介護支援専門員として勤務しているが、社会福祉士は特養の必置職員ではないため、同じ福祉職での職場といえどアウェイ感を抱いている。
 そして同じ福祉職でありながら、介護職同士の連携(情報共有)が十分に行えていないことをとても不思議に思っている。
 その疑問を解決してもらうための糸口になればと、この論文を読んだ。
 
 相談員は施設の質をあげるための職員指導の担い手、社会から求められていることを施設に伝え、実現していくための手段を考えるための担い手。
そのように解釈すれば、社会福祉士が特養の相談員であることのメリット(やりがい)は大いにあると感じた。
コメント
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