社会福祉士×ちょっと図書館司書の関心ごと~参考文献覚え書き

対人援助の実践、人材育成、図書館学を中心に気まぐれに書物をあさり、覚え書きをかねて投稿中~

「企業ソーシャルワークの必要性と可能性-モニター相談の事例から-」前廣美保(2016)

2018-05-31 19:39:00 | 社会福祉学
『日本社会福祉学会 第64回秋季大会』抄録

 アメリカでは一般的である被雇用者へのソーシャルワーク支援について、我が国においてもその必要性があるということをモニター調査を通して明らかにしている。

引用
・ソーシャルワークには、すでに困難な状況に陥った人への支援だけではなく、困難を未然に防ぐことも含まれる。
・被雇用者への支援であるEAP(Employee Assistance Program)は、アメリカのソーシャルワーカーにとっては重要な仕事のひとつであり、雇用主と被雇用者の双方をクライエントとしてとらえ、両者の利益に矛盾が生じないような労働環境を調整するための支援が数多く実践されている。
・(モニター調査結果より)相談内容は実際に抱えている悩みであり、妊娠、出産、育児、職場での人間関係などにとどまらず、親の介護、夫からのDV、借金、精神的な不調など、かなり深刻な話題があげられた。


 介護施設での離職率はとても高く、離職防止には職員へのソーシャルワーク支援が有効なのでは?という素朴な疑問に対する答えをみつけるため、本報告を読んだ。
この報告とは別の団体であるが、我が国には「産業ソーシャルワーカー協会」というものが存在し、被雇用者を支援するためのソーシャルワーカーの養成が始まっているようだ。

離職防止に効果的な具体策(支援策)は未だ見いだせていないが、ソーシャルワークが何らかの手助けになることは手応えとした感じている。
コメント
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