社会福祉士×ちょっと図書館司書の関心ごと~参考文献覚え書き

対人援助の実践、人材育成、図書館学を中心に気まぐれに書物をあさり、覚え書きをかねて投稿中~

「三次救急病院における救急認定ソーシャルワーカーの役割」澤井彰、畠山稔

2019-05-11 14:57:47 | 社会福祉学
『医療と福祉』No.105 Vol.53-No.1 2019-5

救急医療の最前線で実践をしているソーシャルワーカーによる報告。

引用
・救急認定ソーシャルワーカー介入事例をソーシャルハイリスク別に分析した結果、「地域とのつながりが不安定であり、医療同意が取得しにくい症例」や「入院適用はないが、在宅療養が困難な症例」に対する介入比率が高い傾向になった。
・(調査結果から、筆者の所属する三次救急病院における)救急認定ソーシャルワーカーの役割は、①救急外来におけるメディカルマネージメントを図る役割②救急外来から地域の開業医・二次救急病院・介護施設と橋渡しを行う役割の二つが大きな①を占めると考察した。


 「散在している業務をどのようにして専門的なものであると位置づけるか」・・・その作業を試行錯誤で行っている様子が伺える論文であった。
 私は10年ほど前に、在宅療養支援診療所に所属するソーシャルワーカーの役割に関する調査を何度が行ったが、「雑務」と片付けられてしまう業務を、「ソーシャルワーカーだからこそ」という位置に整理することに、大変苦労した。しかしここ数年で在宅医療を活動の場とするソーシャルワーカーが増加し、その専門性も認められている。
 
 ひとつひとつに意味をもたせ、専門性があると位置づける作業は、その先のソーシャルワーカーたちの活動の場を広げることにもなる。そしてそれこそが、実践と研究を並行して行う醍醐味なのだと思う。
コメント
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