副題:5事業所のインタビュー調査からみた 現状と課題 『中国・四国社会福祉研究』第7号
私の勤務しているエリアでは、B型作業所の利用がブーム化している。そして同時に、B型作業所の良くない話を多く耳にする。
本来、障害者就労継続支援B型事業所は、何のために活動をしているのか。その本質を知るために本論文を読んだ。
本論文は、インタビュー調査を実施し、その現状と課題を丁寧に論じている。
注)・B型事業所とは?…一般雇用の難しい障害者に就労支援を行うことを目的としている
引用
・利用者の支援ニーズが増加・多様化しており、個々の利用者のニーズに合った作業や支援を提供することが重要となっている
・作業は利用者に合っているものの、それらの単価が安いことが指摘されていた。それでも、利用者に合った作業を提供するために、単価が安い
作業を引き受けざるをえない構図になっていると考えられる。
・工賃向上に限界を感じるとともに、利用者支援と工賃向上の間でジレンマに陥っていることが明らかとなった。
生活に張り合いをもたせ、社会性を身につけることができる。それが就労支援の目的のひとつであろう。利用者ひとりひとりに対し、見守り(支援)と労働(教育)といった、2つの側面からアプローチをすることは本当に難しいのだと思う。それを事業所の自助努力だけに頼ることは、本論文でも指摘されているように限界がありすぎる。
一方で、事業所と親しくしているクリニックが診断をつけ、作業所に通えるように道筋をつけているという話も聞く。それが利用者に有利に働くことであればよいのだが、そうとは限らない。そこも行政は見て見ぬふりをしている様子も見受けられる。
民間の力で伸びる部分、強制力をもった公的な力で伸びる部分(守ることができる部分)、うまく掛け合いができればと切に思う。
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