スピリチュアルケアと宗教的ケアの相違を踏まえたうえで、教理仏教の死生観と生活仏教の死生観について概観している。
引用
・教理仏教…文献学的研究によって明らかにされる
・生活仏教…葬儀などの生活レベルで把握される
・宗教的ケアの場合は、対象者が援助者(通常は宗教者)の「世界」に入ること、つまり援助者の信仰世界対象者が是認することが前提となる。(中略)逆に、スピチュアルケアの場合は、援助者(宗教者に限定されない)が対象者の「世界」に入ることが前提となる。
・緩和ケア等で実施されているスピリチュアルケアは、ケア対象者のニードや信仰が明確でない状況においては、まず対象者の世界観を尊重することが倫理的である。
・生活仏教の死生観は、葬儀、年忌法要、そしてそして仏壇における日々の礼拝や墓参に現れる。その特徴を一言でいえば「祖先崇拝」ということになる(後略)。
・スピリチュアルケアには、宗教的ケアの固定性への対応として生じた側面があり、個別で多様な対応が可能である。(中略)死の不安に対して、宗教的ケアにように“答え''を提示することは、必ずしも有効ではない。かえって信頼関係を損なうことさえある。対象者の世界をどこかにある“答え“の代わりになるもの(より深い自己への気づき)を語りの中で一緒に見つけることが求められる。
緩和ケア病棟はキリスト教に拠るところが多く、仏教徒である遺族にとってはグリーフケアを受けにくい(躊躇する)こともある、という声を聞く。
病院側は、宗教色を全面に出しているところは少ないと予想されるが、宗教が自身の根幹をなしている場合もあるため、デリケートな側面にもなりうるだろう。
そしてまた、同じ宗教を信仰しているからと言って、価値観が一致しているとは限らないということも念頭に置かねばならない。
亡くなりゆく人、看取りを経験した人にとってのケアは、画一的ではないと改めて考えさせられた。
引用
・教理仏教…文献学的研究によって明らかにされる
・生活仏教…葬儀などの生活レベルで把握される
・宗教的ケアの場合は、対象者が援助者(通常は宗教者)の「世界」に入ること、つまり援助者の信仰世界対象者が是認することが前提となる。(中略)逆に、スピチュアルケアの場合は、援助者(宗教者に限定されない)が対象者の「世界」に入ることが前提となる。
・緩和ケア等で実施されているスピリチュアルケアは、ケア対象者のニードや信仰が明確でない状況においては、まず対象者の世界観を尊重することが倫理的である。
・生活仏教の死生観は、葬儀、年忌法要、そしてそして仏壇における日々の礼拝や墓参に現れる。その特徴を一言でいえば「祖先崇拝」ということになる(後略)。
・スピリチュアルケアには、宗教的ケアの固定性への対応として生じた側面があり、個別で多様な対応が可能である。(中略)死の不安に対して、宗教的ケアにように“答え''を提示することは、必ずしも有効ではない。かえって信頼関係を損なうことさえある。対象者の世界をどこかにある“答え“の代わりになるもの(より深い自己への気づき)を語りの中で一緒に見つけることが求められる。
緩和ケア病棟はキリスト教に拠るところが多く、仏教徒である遺族にとってはグリーフケアを受けにくい(躊躇する)こともある、という声を聞く。
病院側は、宗教色を全面に出しているところは少ないと予想されるが、宗教が自身の根幹をなしている場合もあるため、デリケートな側面にもなりうるだろう。
そしてまた、同じ宗教を信仰しているからと言って、価値観が一致しているとは限らないということも念頭に置かねばならない。
亡くなりゆく人、看取りを経験した人にとってのケアは、画一的ではないと改めて考えさせられた。
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