社会福祉士×ちょっと図書館司書の関心ごと~参考文献覚え書き

対人援助の実践、人材育成、図書館学を中心に気まぐれに書物をあさり、覚え書きをかねて投稿中~

「日本における生命倫理の現在」 松井富美雄(2005)

2010-06-01 19:31:07 | 哲学
哲学からみた、生命倫理の定義、ならびに医療問題に対する日本の認識(対応)の現状を報告。
6ページからなる論文であるが、専門用語が羅列されているわけではなく、哲学が専門ではない人でも読みやすい。

生命倫理学とは…
1978年にジョージタウン大学ケネディー研究所から出版された書物によって、初めて明確に定義がされた。「人間の行為が道徳的諸価値や諸原理に照らして吟味される限り生命諸科学やヘルスケアの領域におけるその行為の体系的研究」

医学の倫理的問題(例:脳死、安楽死)の解決には、奥底に潜む文化的・歴史的要因にも注目する必要がある(*哲学はその手助けとなりうる)。

引用宗教は人格のかけがえのなさや一回性の観点から生命の瞬間を問い直すことができる。


なるほど、倫理的問題は確かに「医学」や「法学」だけでは片付けられない。しかしどうしても、医療者の視点から医療問題をとらえがちである。研究の多くは、医療職によって行われているのも、その要因であろう。
「ひと」「生命」をトータルに考えるならば、哲学という学問も不可欠であると感じた。



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