トリからキノコ 自然見て歩き

足の向くまま気の向くまま トリからキノコまで
自然の中が心地よい

シキミの花

2022-03-16 | 樹木 草花


上品な色合いのシキミの花が咲いていた
全体が有毒で特に果実は猛毒
名前も「悪しき実」が訛ったものと言われる

シキミ科シキミ属の寺社や墓地に良く植えられている常緑小高木、2~5m程になる
シキミ科はシキミ属1属の科で、アジアと北米に隔離分布して40種ほどある
葉は互生し葉身は4~10cmほどの長楕円形
傷つけると抹香の香りがする

花は3~4月に咲く
葉腋に3cm程の黄白色の花を付ける
果実は袋果が8個集まった特有の芳香がある2cm程の集合果
熟すと割れて光沢のある種子が顔を出す

樹皮、葉、ことに果実にケイレン毒のアニザチンが含まれている
中毒症状は、痙攣をおこし呼吸興奮、血圧上昇を起こす
樹皮や葉は抹香や線香の原料になっている

オツネントンボ

2022-03-15 | 虫類


アオイトトンボの仲間、オツネントンボがもう見られた

成虫で越冬して4月頃から11月まで見られる
越冬前も越冬後も産卵期になっても殆ど体色は変わらない
褐色の濃淡模様のある、やや太めの地味なトンボ
大きさは4cm程で中型

平地から低山地の挺水植物の茂る池沼、湿地に生息している
初夏~夏に羽化して、成虫で越冬し5~6月に産卵する

産卵は春から初夏に連結したまま植物に止まり、生体内や枯草、朽ち木にも産卵する
時にはメスの単独産卵もある


テングチョウ

2022-03-14 | 虫類


今日は初夏を思わせるような陽気で汗をかいた
ヒラヒラもののチョウも色々顔を見せてくれた

成虫で越冬して今頃3月中から11月まで見られる
4cm程の中型のチョウで、前後翅に橙斑と前翅の翅頂部近くに小白斑がある
裏は後翅では褐色の枯葉模様
頭に突起がある
日中高所を敏速に飛び、各種の花や樹液などを訪れる
都市近郊の公園や神社から、雑木林、自然林にかけて広く見られる

食草はエノキなどニレ科植物
幼虫は細い円筒形のイモムシで、緑色の個体、下半分が褐色の個体、全体が紫褐色の個体が居る
葉表で前半身を持ち上げて、背を丸めた姿勢で居ることが多い

モクレイシ

2022-03-13 | 樹木 草花


モクレイシ(木茘枝)の小さな可愛い花が沢山ついていた
花には雄しべがあり雄花のようだ
茘枝は中国フルーツのライチの事
果実が割れて赤い実を出す様子がツルレイシ(ニガウリ)に似ているので、ツルに対してモクと付けられた

ニシキギ科の常緑広葉樹林の林縁や林内に生える常緑の低木または小高木で2~5m程に生る
葉は対生で、4~8cmの楕円形か卵形で全縁

花は雌雄別株で、2~4月に咲く
葉腋に5mmほどの小さい黄緑色の花を数個つける
果実は蒴果
2cm程の楕円形の緑色の果皮に包まれ、12~2月に熟して2裂する
中から橙赤色の種子が顔を出し、果皮は種子を枝に残して先に落ちる

ムラサキシジミ

2022-03-12 | 虫類


今日の東京はポカポカ陽気で春だった
蝶々もキタキチョウはじめ何種類かヒラヒラしていた

成虫で越冬して、3月終わりころから飛び始めるがポカポカ陽気に誘われて早めの飛翔かな
開張3cm程の小型のチョウで、黒っぽい翅表に青色が映え、裏は暗褐色で不規則な斑がある
森林、林縁、公園、人家などの照葉樹林や落葉広葉樹林、に居る
越冬前や越冬後は日中に翅を開いてよく日光浴をする

食草はコナラ、クヌギ、カシワなどブナ科植物
幼虫は全体淡黄緑色の2cmほどの扁平なイモムシ
ブナ科植物の枝先の若葉を丸めて中に潜んでいる

ユキワリイチゲ

2022-03-11 | 樹木 草花


ユキワリイチゲが一輪咲いた
脇にこれ見よがしに葉があった

キンポウゲ科の山麓の樹林内や竹林などに生える多年草
根茎は太く横に這い紫色を帯びる
根生葉は3小葉で、小葉は3角状卵形で鋸歯がありセリ科の三つ葉に似ている
表面は濃緑色で白斑が入るが、秋に展開して冬を越したせいか、春には汚れたような淡褐色を帯び、裏は紫色を帯びる

茎葉は茎頂に3個輪生し、3~4月にその中心から花柄を立て、菊の花に似た3cm程の花を上向きに開く
花びらに見えるのは萼片で、線状長楕円形で10~20個あり、花色は白色~淡紅紫色など色々ある
雄しべと雌しべは多数あり、葯は黄色く雌しべは緑色をしている

セントウソウ

2022-03-10 | 樹木 草花


小さな白い花セントウソウ(仙洞草)が群がって咲いていた
名前の由来は不明だが、仙洞御所に因んだ名前、と言う説がある
セリバオウレンに似た葉なのでオウレンダマシの別名がある
日本固有種

セリ科セントウソウ属の一属一種の多年草
山野の林内や林縁に生える高さ20cm程の小型で繊細な草本
葉は1~3回3出羽状複葉で、紫色を帯びた長い柄があり、ほとんどが根生する
小葉は卵の形に似た三角形で、丸みを帯びた鋸歯がある

3~5月、葉の間から伸びた細い花茎の先に複散形花序を出し、白色の小さな花を付ける
花は5弁花で、花弁は内側に曲がる
果実は4mm程の楕円形で2個の分果がくっついてる

葉や花を摘み採り、さっと茹でておひたしや各種の和え物、汁の実にするとさわやかな味と香りがして美味しい

フキノトウ

2022-03-09 | 樹木 草花


枯れ落ち葉の中からフキノトウがのっこり顔を出した
フキの若い花茎がフキノトウで、ほろ苦い早春の味
フキの名は、用便の際の「拭き葉」からと言う説がある

フキ:
キク科の山野に生える多年草、地下茎を伸ばして増える
葉は15~30cmの腎円形で基部は深い心形
葉柄は60cm程で長い

3~5月、葉が出る前に花茎を伸ばし、散房状に頭花を付ける
雌雄異株で、雄株は10~25cm程になり黄白色の頭花を多数つける
雌株は白色で、初め蜜に頭花をつけるが、後に45cmほどにのびる
果実は円柱状のそう果で冠毛がある

フキノトウは陰干しにして煎じて飲むほか、調理をしても、咳や痰に効き、健胃、食欲増進に効果がある
葉柄は5~10月に摘み採り茹でてキャラブキにする
花茎は2~5月に摘み採り油いためやみそ汁の実、茹でて酢の物など美味しい

セツブンソウ

2022-03-08 | 樹木 草花


セツブンソウが咲いていた
節分の頃に開花する春植物(スプリングエフェメラル)で、初夏には地上部が枯れる

キンポウゲ科の主に石灰岩地の樹林内に群生する多年草
地中に球形の塊茎がある
根生葉は花茎とは別に出て長柄があり4cm程の掌状で、3全裂し更に細裂する少し変わった感じのする葉

花は2~3月に咲く
茎先に2cm程の白い花を開く
花弁状の白い花びらは萼で5個有り、花弁は中の黄色の丸い頭状の部分で、2~4裂し先端は黄色の蜜腺になっている
雄しべが多数あり、葯は紫色をしている・・花弁の黄色と紫色の雄しべの色の取り合わせが面白い
雌しべは2~5個ある

果実は無毛の袋果で1cm程の半月形をしている
中の種子は数個有り、球形で褐色をしていて滑らか

ノボロギク

2022-03-07 | 樹木 草花


ノボロギクが一株のっこりと生えていた
名前は、野に生えるボロギク(別名サワギク)の意味

キク科のヨーロッパ原産の一年草
明治の初めに渡来し、今では道端にも普通に生えている
茎や葉は柔らかく、よく分枝して高さ30cmくらいになる
葉は互生し、不規則な羽状に裂け、基部は茎を抱く

花は暖地ではほぼ通年咲く
葉の脇から花柄を出して黄色の頭花を数個付け、普通筒状花だけが集まり舌状花は稀にしかない
総苞は1cmほどの筒状で、基部に先端が黒い筒状の小さな小苞がある
そう果は表面に10個の脈があり、脈に沿って上向きの毛が生える
冠毛は白色で細く長い

全草に薬効があり、煎じて飲むと生理不順に効果がある
香りも味も春菊に似ている、茹でてすき焼きの具やおひたしなど美味しい

ミスミソウ

2022-03-06 | 樹木 草花


多くの野草はこれからだが、先駆けてミスミソウ(三角草)が咲いた
雪国では雪をかき分け咲くので、ユキワリソウの別名がある

キンポウゲ科の落葉樹林内に咲く多年草
葉は根生し長い柄があり、葉身は三角形で3浅裂し先は尖り全縁
葉の形が名前の由来

花は3~4月に咲く
10cm程の花柄に、淡紫色、淡青紫色、淡紅色、白色など変異の多い花を付ける
花は1.5cm程で、花弁状の萼片が6~9個有り花弁は無い
萼片は長楕円状披針形

キタテハ

2022-03-05 | 虫類


今日は24節季の啓蟄
冬ごもりしていた虫たちが出てくるころ
タイミングよく今年初めてのヒラヒラ物、キタテハに出会った

成虫で越冬し、3月初めころから見られる・・教科書通りの出現・・
中型のチョウで、表は橙色で黒斑が広がる 
裏は褐色を基調とした色で閉じていると枯葉のようで目立たない

食草・幼虫時の食べ物・・はカナムグラなどで、カナムグラがよく生えている草地、人家や公園などで見られる
日中草地上を低く飛び、各種の花を訪れるほか、樹液、腐果などにも集まる


ミソサザイ

2022-03-04 | 野鳥


ちっちゃなミソサザイがピョント跳ねた
ミソは溝の事でサザは「ささやか」の意味で小さいこと、「イ」は元来「き」で鳥を意味する接尾語の変化したもの
つまりは、小川に居る小さい鳥の意味

留鳥又は漂鳥
種子島以北に留鳥として分布し、冬は低山や平地のの沢や崖地に移動する
おもに林床や地表近くで生活しあまり明るい所へは出てこない
尾羽を立てて腰を振りながら歩き回り、主に昆虫類クモ類などを採食する
岩の隙間や木の根元にコケで球形の巣を作る

雌雄同色
全体が茶褐色で、上面の各羽には黒褐色の横斑があり、体下面には黒と汚白色の細かい波状紋がある
大きさ11cmで日本で最も小さい鳥の一つ

ウソ

2022-03-03 | 野鳥


フイッフイッと口笛のような鳴き声で、九州地方の方言で口笛を吹くことを「うそぶく」と言うのが名前の由来
各地の神社で行われている「鷽替え」の神事は、ウソを嘘に例え、前年の凶を嘘にして、木彫りのウソを取り換えることで厄払いする

留鳥(漂鳥)または冬鳥
本州中部以北の亜高山帯で繁殖して、冬は各地の低山や丘陵地の落葉広葉樹林へ移動する
昆虫やクモ類、木の実や葉、花芽などを食べる
平地には春先頃まで居て、梅園や桜の名所で蕾を食害するので嫌われている
特に葉芽より花芽が好きで、芽の芯の部分だけをより分けて食べる
時と場所により有害鳥獣として駆除されることもあるという

オスは頭が黒く、頬と喉は紅色が目立ち可愛い
メスは頭が黒く、頬からの体下面は淡い灰褐色
大きさは16cm

アセビ赤花

2022-03-02 | 樹木 草花


もうそろそろ咲いても良いのだがアセビ(馬酔木)の白い花がまだ蕾で、園芸種と思うが赤花が咲いていた
名前は人が誤って食べ中毒になり足がしびれることから、「アシシビレ」が詰まった名前と言う説がある
馬が食べると酔うので馬酔木の漢字を当てる
鹿が食べると不時に角が取れるので食べない・奈良公園の鹿も食べないのでアセビが多いという

ツツジ科の日当たりの良いところに咲く常緑の低木~小高木 1~8m程になる
葉は互生で枝先に集まって付く
葉身は3~10cmで倒披針形または長楕円形、先端は鋭く尖り基部は次第に細くなる
縁の上半部に浅い鋸歯があり少し波打っていて、革質で表面は濃い緑色で裏は淡緑色

花は2月下旬から5月に咲く
枝先の葉腋から10cmほどの円錐花序を出し、白色の花を多数つける
花序は垂れ下がり花は下向きに咲く
花冠は6mmほどの細い壺型で浅く5裂する
果実は蒴果
5mm程の扁球型で上向きにつく
9月頃褐色に熟し5裂する、中の種子は2mmほどで大きさや形は不揃い

有毒植物・・葉を嚙むと苦いそうだ
茎葉を乾燥させ、10倍量の水で煎じ、その煎液をさらに10倍に薄めて作物にかけて農作物の殺虫剤に使う